多分週末花見に行くには、この土日が今年最後のチャンスとなるだろう。されどルーヴル美術館展の招待券の有効期限もこの日曜までである。
それで今日はルーヴル美術館展鑑賞に、六本木の国立新美術館に赴いた。
一口にルーヴルと言っても、厖大な所蔵品の中からどのようなコンセプトで選定した美術展なのか?
今回の美術展のテーマは「風俗画」だそうだ。尤も美術展の最大の目玉は本邦初展示となるフェルメールの「天文学者」だが、「天文学者」が風俗画のジャンルに入るのか微妙な気がする。
この「天文学者」の他にもティツィアーノの「鏡の前の女」など優れた作品が数多く出品されている、贅沢な美術展であることは確かである。
残念なのは、風俗画とは言えキリスト教や西洋の古典などを踏まえた寓意が多く、それらの素養がないと充分に作品を理解出来ないことだ。
あの「弐代目・青い日記帳」にも、この美術展は玄人向けと書かれていたくらいである。
尤も図象学の素養がなくとも、鑑賞を楽しむことは出来る。以下に私が心惹かれた作品を紹介しよう。
ムリーリョ「物乞いの少年」。宗教画で有名な作者らしく、この作品も荘厳さを湛えている。
ニコラ・レニエ「女占い師」
騙す者と騙される者の綾なす図は、カラヴァッジョの作品にもあった。
フェルメール「天文学者」。やはりこの作品が作られた背景やテーマが分からないと本当の良さは分からない。
グルーズ「割れた水瓶」。余りに分かりやすい主題、ちょっと生々しい。
ティッツィアーノ「鏡の前の女」
美しさは本美術展でもナンバーワン。
コロー「身づくろいをする若い娘」
私的にはティッツィアーノよりもこちらが好きだ。
同じくコローの「コローのアトリエ」
美を追求する娘の清祥な佇まいは気品に溢れている。この美術展全体でのイチオシである。
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