映画感想 ジャッキー・チェンVSレオン・カーフェイ「シャドウズ・エッジ」(ネタバレあり) | 隅の老人の部屋

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大ヒットとなった「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」(2024)を見逃してしまったので、
私にとっては近年のポリス・アクションでピカ一の作品と言えるほど楽しめました。
多角的な娯楽要素を詰め込んで2時間20分強を一気に見せてしまいます。
人気の若手タレント、ジュンが出演しているので女性観客を多く集め満員に近い状態でした。

マカオで監視カメラ映像をハッキングしリアルタイムで書き換えて追跡をかわす犯罪が発生、
ホテル従業員がたまたま撮った画像から元軍の暗殺者だった影(レオン・カーフェイ)と呼ばれる男が率いる犯罪集団の仕業と判明します。

この冒頭の逃亡シーンから息詰まるアクションが展開しました。
犯人たちは演劇の早変わり手法を駆使して次々に服装を変え、
計算されつくした逃走経路で警察の追跡をかわします。

監視カメラが信用できなくなった警察は、引退していたヴェテラン刑事ホワン(ジャッキー・チェン)を招集、ハイテク化で解散していた追跡チームを復活させます。
チームの中には若手刑事時代のホワンのミスで殉職した刑事の娘ホー(チャン・ツィフォン)もいて、二人の確執がドラマとしても楽しめるものになっていました。
ホーはなかなか血気盛んで、
パワーには欠けるけど動きは素早いという設定がクライマックスでもうまく生かされています。

一方、影が率いる犯罪集団は、彼を父親と慕う養護施設出身者構成されていますが、
ジェネレーション・ギャップから離反する傾向が出始めていて一枚岩ではありません。
犯罪組織内の抗争もドラマの横糸として描かれていて引きつけられました。

追跡チームは影を発見し住居のアパートを突き止めます。
この場面ではホーが一度見られている服を着替えもせず接近していて、
新人刑事だとしても、あまりにも不用意すぎる印象が残りました。
全体的によく練られたシナリオなのですが、この部分はやや説得力に欠けました。
この一点を除けば、
父娘に化けたホワンたちと、一般人のふりをする影との駆け引きが前半の大きな見せ場になっています。

中盤ではホワン暗殺をもくろんだ組織が、サイバー捜査本部に傭兵集団を送り込んで、
派手な戦闘シーンが展開、
後半にはジャッキー・チェンらしい小道具を使った対決シーンもあって、
息つく暇なく楽しませてくれます。

敵味方の若手俳優たちも好演でしたが、
何と言ってもこの作品の魅力は
ジャッキー・チェンの人情味あふれるヴェテラン刑事ぶりと、
それに対するレオン・カーフェイの老獪で非情な犯罪者ぶりに尽きる気がします。
終盤における二人の死闘は迫力満点でした。
警察隊の強面な隊長は、してやられてばかりで見せ場がなくて、お気の毒です。
ラストにはさらなる敵の存在も描かれて続編が製作されるのかどうかも楽しみです。

入場特典のカードは小さすぎるのが残念でした。

せめて名刺サイズくらいはほしかったと思います。