「ガリレオ」シリーズに続く、東野圭吾原作、福山雅治主演のミステリー、
バディを組むのは有村架純です。
結婚を控えた真世(有村架純)は、父・英一(仲村トオル)が殺されたとの知らせに急きょ帰郷します。
そこには長年実家に戻らなかった叔父の武史(福山雅治)も姿を見せ、
二人は犯人を突き止めるべく行動を開始します。
現地では真世のかってのクラスメイト達が、
その中の一人、克樹(成田凌)が描いたコミックとそのアニメの人気を利用した町おこしを図っていました。
以前にもプロジェクトが立ち上げられていましたが、
コロナ禍で頓挫しています。
広大(木村昴)を中心としたグループが新しい計画を進めようとしていて、
酒店を営む浩平(森永悠希)は独自のタイアップを考えていました。
さらに克樹のマネージャー的立場に収まっている梨々香(岡崎紗絵)には別の思惑があるようです。
木村昴が演じるまんまジャイアンなキャラクターは笑えました。
殺された英一は元中学教師で、地元の人間の多くが教え子です。
真世は中学時代に何かあれば父親に告げ口すると勝手に決めつけられて仲間外れにされたという過去がありました。
真世たち仲間外れの者たちに手を差し伸べグループを作ったのが直也という子で、
その中には克樹もいました。
しかし直也は病気で若くしてこの世を去っています。
一方、武史はラスヴェガスでも活躍したことのあるマジシャンで、
現在は日本でバーを経営しています。
原作は読んでいませんが、キャラクター性から考えてガリレオのような外見ではないでしょう。
しかし、人を食ったところはちょっと似ています。
この作品の面白さは、武史の特技を使った捜査ぶりにあるといえるでしょう。
携帯をすり取っては警察情報を入手し、
巧みな心理操作で聞き込みを行います。
真世に不遜な態度を取ったり、金に汚かったりしますが、
悪ぶって格好つける性格なだけで、本質的には思いやりのある人物という印象を受けました。
福山雅治と有村架純のやり取りはバディ物らしい楽しさに満ちていました。
ミステリーとしては、まあ並みといったところで中盤には真相が見えてきます。
ただ正攻法の演出には好感が持てました。
ミスリードするためにインチキな描写をする作品よりははるかにましです。
武史はラスヴェガス時代を黒歴史ととらえている様子があり、
そこで何があったのか、続編への伏線となっているのかもしれません。
短編集はすでに刊行されているようです。