映画感想 続編ホラー「事故物件ゾク 恐い間取り」(ネタバレあり) | 隅の老人の部屋

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興行収入が23億超というヒットを記録した「事故物件 恐い間取り」(2020)の続編です。
続編といっても前作とは全くつながりがありません。
共通点は実際には間取りがほとんどストーリーに絡んでこないということでしょうか。
前作以上にストーリー性は弱くて、4話からなるショートホラー集と感じられました。

 

 

今回の主人公は30歳手前で一念発起してタレントを目指しますが、
東京に出てもたまに入る小さな仕事以外、
なんだかダラダラ暮らしていて覚悟が感じられません。
“事故物件住みますタレント”としての活動がカメラ1台設置するだけで、
具体的な発信内容や評判がほとんど描かれないのも、
そう感じられてしまう一因となっています。

第1話の舞台となるアパートは自殺があった事故物件です。
クリーニングもしないで貸し出すという設定で、
部屋の隅にはシミや髪の毛だけでなく血まみれの歯まで残ってたりします。
そんなことあるのか、と心霊現象より気味悪かったのですが、
事故物件のプロ?松原タニシ原作なので、そういう物件もあるのでしょう。

第2話は心霊番組のロケで旅館に行きます。
これは事故物件ではなくて心霊スポットでしょう。
旅館の主人は現象を隠していて旅館自体営業していないみたいだし、
どのような経緯で話題となってテレビ中継の対象になったのか分かりません。
生放送で謎の声とか心霊現象が起きたら大騒ぎになっておかしくないと思えますが、
スタッフの反応の薄さが気になりました。

第3話はシェアハウスが舞台で、1話ごとに変化をつけようという努力は感じられます。
主人公は自分が行かなかったら悲劇は起こらなかったかもしれないと言いますが、
事態を悪化させたのは不用意にこっくりさんをしたことではないかと思いました。
どう見ても高齢な老婆の霊なのに、必死に47歳と主張していたことが最大の恐怖かもしれません。

メインともいえる第4話はヒロインの家で、事故物件ではありません。
ちょっと強引に良い話にもっていきます。
全体的に話があまり広がらないのは、この意外なラスト展開への制約があったからかもしれません。

短い話の連続なので見ていて飽きることはなかったのですが、
3話までは特にオチがなく、心霊現象を描くだけなので、
見終わってからの満足度は低めでした。
ショックシーンもけっこう盛り込まれていますが、
突然の大音響で驚かそうというパターンが目立って微妙です。
まあ劇場の音響設備がなければ効果が出ないので、ある意味映画的ではあります。

 

 

前作で主演した亀梨和也が本人役でカメオ出演しています。
短い出番でオーラを発していてさすがだと思いました。
かって貞子や黒井ミサを演じた佐伯日菜子もカメオ出演しています。
「らせん」(1998)は飯田譲治監督だったので、初顔合わせだと思います。
あまりにも短い出番でもったいない気がしました。