オープニングからレッド・ツェッペリンの名曲に乗って迫力のあるレース・シーンが描かれ引き込まれました。
ソニー(ブラッド・ピット)は天才的な攻めるタイプのレーサーとしてF1優勝を期待されていましたが、
レース中の事故で重傷を負いF1界を離れます。
復帰後はチームに属さず助っ人ドライバーとしてF1以外のレースを転戦してきたソニーは、
負け続けて危機的状況のF1チームを持つ旧友ルーベン(ハビエル・バルデム)に頼まれ、
チーム再建のため30年ぶりにF1に復帰します。
チームには才能はあるけど経験の足りない若手レーサー、ジョシュア(ダムソン・イドリス)がいて、
前半はソニーに対する、年齢もキャリアも違いすぎるジョシュアの確執を中心にドラマが進んでいきます。
ソニーは反則ギリギリの戦法でかく乱したり、レースの流れを見事に読み切ったりして老練ぶりを発揮、ジョシュアの成績を上げることに成功します。
シーズン初の入賞から次々に順位を上げていくのが、小気味よいテンポで描かれ、
ドラマ部分もしっかりしていて2時間35分を一気に見せていきます。。
スタンドプレイに走らず、チームプレイに徹するソニーの、ちょっとやんちゃな面もありながらプロフェッショナルぶりを発揮するキャラクターが魅力で、ブラッド・ピットの演技が光っていました。
しかしソニーを信用しきれないジョシュアは指示に逆らって事故を起こし、負傷して一時的な離脱を余儀なくされてしまいます。
ダムソン・イドリスの演技も節度があり大げさになりすぎず好感が持てました。
後半にはメカニックのリーダー、ケイト(ケリー・コンドン)との恋模様や、
チーム乗っ取りの陰謀なども織り込まれて
いかにもハリウッドらしい娯楽作に仕上がっています。
この作品は地上版「トップガン」としてアピールしてますが、
トム・クルーズでレース映画といえば
ニコール・キッドマンと初共演した「デイズ・オブ・サンダー」(1990)が思い出されます。
カーレースには全く素人の私ですが、
この作品のおかげでスリップストリームだけは覚えました。