原菜乃華演じる四谷みこは霊体が見えるようになってしまいますが、
ネットに出ていた無視した方が安全という説と、
周囲から変な目で見られたくないという気持ちから
見えないふりを決め込みます。
ところが怖いものが苦手でオカルト嫌いな親友は憑りつかれやすい体質で、
校内には他にも霊視能力を持った者がいるうえ、
産休教師の代理で来た先生は明らかに憑かれていて
事態はどんどんややこしくなっていきます。
低予算の小品でホラーとして怖いかというとそれほど怖くはありませんが、
「フィッシュストーリー」(2009)、「ゴールデンスランバー」(2010)などの伊坂幸太郎原作作品を中心に
トリッキーなストーリーテリングを得意とした中村義洋監督の作風が生きていて、
意外な拾い物といえる楽しい作品に仕上がっていました。
原菜乃華はさすがに達者な演技を披露しています。
久間田琳加、なえなのもキュートな魅力を発揮していました。
原作もアニメも見逃しているので忠実な実写化かどうかは分かりませんが。
ヒロインが見えるようになったきっかけは心を動かされるものでしたし、
見ていて違和感を覚えた部分についてもラストで解消してくれます。
さわやかな後味の青春コメディーとして素直に楽しめる作品になっていました。
堀田茜が演じる先生があまりにも簡単に霊の話を受け入れてしまうのは、
ちょっと不自然に感じましたが。