映画感想 シリーズ集大成「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」(ネタバレあり) | 隅の老人の部屋

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前作は2時間40分強を一気に見せる快作でしたが、終わってみれば鍵の争奪戦で意外と話は進んでいませんでした。
今回は時が進んで人類はすでに危機的状況に陥ってます。
お馴染みの消滅するテープによる作戦指示が今回初めて大統領直々のメッセージとなっていて冒頭からメチャクチャ盛り上がりました。
文字通り人類最後の希望となったイーサン・ハントが仲間たちとともに命がけのミッションに挑む展開は、シリーズ中でも最高の面白さです。

オリジナルの「スパイ大作戦」はテレビドラマの低予算を逆手にとって、諜報戦をコンゲームとして描いた傑作シリーズでした。
毎回のラストでメンバーたちが素早く撤収していく姿も痛快で、「黒いジャガー」1作目ののラストを見たときは「スパイ大作戦」のオマージュと感じました。
映画版はどんどん大作化していって、本家のジェームズ・ボンドをしのぐほどのスケール感を実現しています。

今回は過去作の因縁あるキャラクターも絡んできて、まさしく集大成という作品に仕上がっていました。
なにしろジェームズ・ボンドさえ、ああなる時代なので緊張感も半端ありません。
現実へのアンチテーゼであるかのように描かれる、立派な大統領率いる強いアメリカぶりも、エンタメ作品としては大きな魅力になっています。

殺しだけを特技として生きてきた冷徹な女殺し屋が、初めてできた仲間の一人を救うときに、おどおどしてしまう姿も素敵でした。

 

 

フェルプスはテレビシリーズから見ている者には思い入れのある名前で、ラストシーンは感慨深いものがありました。
ラロ・シフリンの名スコアも見事にアレンジされて場面を盛り上げています。

やり切った感が十分あるので、これが最終作になっても不満のない作品ですが、新しいメンバーもできたので新たな冒険を描いてほしいという気持ちも残る出来栄えでした。