1945年8月15日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名
は国岡鐡造(くにおかてつぞう)。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国
岡商店」の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつ
も、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始ま
る。
序章 9 第一章 朱夏 昭和20年~昭和22年 21 一、馘首はならん! 二、苦闘 三、ラジオ修理 四、東雲忠司(しののめただし) 五、GHQ 六、タンク底 七、公職追放 八、石統との戦い 九、武知甲太郎(たけちこうたろう) 十、スタンバック 十一、逆転 第二章 青春 明治18年~昭和20年 195 一、石油との出会い 二、日田重太郎(ひだじゅうたろう) 三、丁稚(でっち) 四、生家の没落 五、士魂商才 六、海賊 七、満州 八、スタンダードとの戦い 九、危機 十、仙厓(せんがい) 十一、世界恐慌 十二、上海(シャンハイ) 十三、日中戦争 十四、石油禁輸 十五、南方へ 十六、敗戦 全466頁