実は、このまま調理師専門学校に通い続けるべきか、自分の中で少し迷い始めています。

学校に通うこと自体は決して楽しくないわけではありませんし、素敵な仲間もできました。

明確に辞めたい理由があるわけでもないのですが、胸のどこかに小さなモヤモヤが消えずに残っているのです。

その要因は、以前の記事

 

 

 でも触れた通り、学校へ行く理由がもともと趣味の延長であり、モチベーションがそれほど強くなかったことにあります。

 

スタート地点ではそうだとしても、「学校に通えば、料理に目覚めるかもしれない」という淡い期待もありましたし、自分を鼓舞するため、ブログでは極力ポジティブな面も書いてきました。


でも、その程度の気持ちや意欲では、今のハードなカリキュラムをこなしていくのが、体力的にも精神的にも難しくなってきたというのが本音です。


授業そのものはもちろん、毎朝1時間近くかけて満員電車での通学は、体力の衰えを感じる僕にとってはそれなりにハードな毎日です。

 

定年退職した時には、毎朝の電車通勤が無くなるだけでも、とてつもない開放感を感じたものです。


そのうえ、包丁研ぎや大根の桂剥きなど、授業時間外でかなりの自習をこなさないと、到底周りに追いつくことができません。

 

カリキュラムが進めば、もっともっと自習項目も増えるでしょう。

プロの調理師を真剣に目指す若者たちにとっては当たり前の努力なのでしょうが、趣味の領域を求めていた僕にとっては、少しコストパフォーマンスが悪いというか、過剰な時間の投資に思えてきたのです。

実習で習う料理も、鶏のフォンやフォン・ド・ボーなど本格的すぎて、一般家庭の台所にはそれに見合う材料も道具も器具もなく、再現するのが非常に困難です。

さらに実習の時間は限られているため、時間内に終わらせるためには、班の4人で作業を分担せざるを得ず、すべての工程を自分一人で経験することができません。

基本的には同じ料理を二度と繰り返さないため、自分が担当できなかった工程は二度と学ぶ機会がなく、かといって自宅では再現が難しいことは上記のとおりです。


僕が求めていたのは高度な専門技術ではなく、もっと身近な家庭料理の範疇だったので、それなら街の料理教室で十分ではないかという気がしてきたのです。

また、体力的な衰えも無視できない切実な問題です。

以前もお話しした通り、教室内のエアコン設定による温度差のせいで、座学の授業を受けるたびに決まって体調を崩してしまいます。

 

 

加えて、慣れない包丁研ぎや桂剥きの練習が響いたのか、かつて患い完治していた「バネ指」が再発してしまいました。

実習後のハードな掃除では、持病の腰痛もかなり辛い状況です。

 

 

さらには、記憶力の低下という壁にもぶつかっています。

先生の鮮やかなデモンストレーションを見終えたら、記憶が新しいうちにすぐ調理に取り掛からないと時間内に収まりませんが、一回見ただけではどうしても覚えきれないのです。

その点、十代や二十代の若い子たちは飲み込みも早く、記憶力も抜群で、いつもテキパキと作業をこなしています。

正直なところ、班の中で唯一の還暦である僕が、彼らの足を引っ張り、迷惑をかけてしまっているのではないかと感じる場面もあります。

僕自身が苦労するのは一向に構いませんが、前途有望な若者たちの貴重な学びの時間を奪うようなことは、僕のプライドが許しません。

そんなことを考えているうちに、残り少ない健康寿命に費やすべき、時間というもっとも大事なコストの重みを痛感するようになりました。

調理師専門学校への通学は、今の僕にとっては過剰であり、身の丈に見合わない投資なのではないかと考えるようになったのです。

もっとも、この結論に至るには、実際にこうして通ってみなければ分かりませんでした。

その意味では、勇気を出して学校に飛び込んでみて本当に良かったと思っています。

定年退職した際、残りの人生を考え、今やりたいことを目一杯やると決めましたが、学校へ行くことは僕にとって面白そうな選択肢の一つでした。

以前の記事で「やらなかった後悔はしたくない」と書きましたが、今の僕は、やらなかった後悔どころか、やってみた後悔すら微塵もありません。


たった1ヶ月通っただけですが、「やりたいことをやる!」という純粋な好奇心を満たすという点では、正直なところ十分に満足してしまいました。

 

いや、1ヶ月ではないですね。

 

公共職業訓練という存在を知ってから、↓の記事にも書いたとおり

 

 

キャリアコンサルティングを受けたり、面接を受けたり、様々な準備期間を加味したら、4ヶ月という時間を費やしました。

 

この記事を見て思い出しましたが、受講指示をもらえていたら、もう少し気持ちも変わったかもしれませんね。

 

実際、仲良くなったお友達のなかにも、とある理由で辞めたいけど、失業手当を貰えているからという理由で、踏みとどまっている方もいらっしゃいます。

 

でももう、僕はいいかな。

それよりも今、また別の新たなワクワクすることに挑戦したいという気持ちが芽生えています。

繰り返しになりますが、僕に残された健康寿命はあと10数年かもしれません。

その10数年は、きっと想像もつかないほどあっという間に過ぎ去ってしまうはずです。

ほんの少しでも「自分には合わない」という迷いがあるのなら、早々に軌道修正をして、次のステージへ進むべきだと思うのです。

とりあえず、今日は日本料理の実習で精魂尽き果てたので、この土日にゆっくりと、この先どうするか考えてみたいと思います。