最近よく昔読んだ古い漫画を電子コミックで購入しています。

転勤族なので紙媒体で買うより荷物にならなくて便利です。

 

今読んでいるのは、高橋留美子原作のラブコメの金字塔「めぞん一刻」です。

ラブコメというジャンルは、私が最も読まないジャンルですが、唯一そのジャンルで読んでいたのはこのめぞん一刻です。

 

1980年位から連載が始まってそのころ私は中学生でこの漫画の良さはよくわからなかったのですが、大学生になってから読むとハマりました。

 

それくらいの年だと年上の女性に憧れる年齢なのでなおさら読み漁りました。

 

内容は皆さんもご存じのとおり一刻館の管理人で未亡人の音無響子と五代裕作を中心としたドタバタラブコメディ、一ノ瀬のおばちゃんや四谷、朱美など個性的な一刻館の住人達との掛け合い、恋のライバル三鷹との関係、五代のガールフレンドたちとの関係、見どころはたくさんでした。

 

巻が進むごとに盛り上がっていく内容、最後の大団円、当時はできることなら一刻館の空室の3号室に住んで、この恋の行く末を見守ってみたいなと思っていたものです。

 

自分の現実は燃え上がるような恋愛とは無関係でしたが、おっさんになった今でもこれからそのような体験ができるのでないかと密かに思っています。

 

さて、パチンコをやっている人は知っているかと思いますが、大当たり演出の一つとして五代と響子の間に生まれた春香の成長を追っていくプレミアムエピソードがありました。(いわゆる後日譚)最近パチンコをやっていないので、このことを知ったのはつい最近です。

 

走馬灯のように流れるその演出を文字だけで説明すると、

 

原作の最後、五代と響子が二人の間に生まれた春香と一緒に一刻館に帰ってきたところから始まります。

 

シーンが次々と流れていきます。顔ははっきり写りません。

 

ハイハイする赤ちゃんの春香。

 

正月料理の準備をしている響子と五代の膝にいる春香。

 

ひな祭りの人形を飾っている響子とその人形に興味津々の幼児の春香。

 

犬の惣一郎に体を預けて昼寝する幼児の春香。

 

響子に連れられて七五三に行く幼児の春香。

 

五代と響子と一緒に幼稚園の入園式での園児の春香。

 

五代とシャボン玉遊びをする園児の春香。それを見つめる犬の惣一郎。

 

人形劇をする園児の春香。

 

五代と響子の似顔絵を描いている園児の春香。

 

夕焼けの中、五代と響子と手を繋ぎ坂を歩いていく園児の春香。

 

夕焼けの中、犬の惣一郎を追いかけていく園児の春香。

 

響子と一緒に小学校の入学式に向かう小学生の春香。

 

母の日に赤い花を響子にプレゼントする小学生の春香。

 

五代と一緒に自転車に乗る練習をする小学生の春香。

 

運動会で二人三脚をする五代と響子を応援する小学生の春香。

 

年齢と春香の背の高さが記された柱を手でなぞる五代、ここで春香が10歳を過ぎてから犬の惣一郎が亡くなったことが示唆されます。

そして、響子の料理を手伝う小学生の春香。

 

中学校の入学式、そして雨で傘を持ってきてくれた五代にそっけない中学生の春香。

 

帰り道で五代と会い五代が手を上げてあいさつするも無視して走り去る中学生の春香。(反抗期なのでしょうか?)

 

高校の入学式、そしてテニス部で活躍し、入賞してトロフィーをもらう高校生の春香。

 

夜遅くまで受験勉強し、机に突っ伏していた高校生の春香。その春香に上着を羽織る五代。何も言わずその上着を袖をギュッと掴む高校生の春香。ここで五代のやさしさに気づいたのでしょうか?

 

大学の合格発表の掲示板で自分の受験番号を見つける受験生の春香。受験番号は五代と同じく「4989」でした。すぐ後ろにいる五代と響子に手を上げて合格を報告します。

 

成人式で振り袖姿の春香。五代と腕を組んで写真に収まっています。(もう反抗期は終わったのですね。)

春香の胸にはかつて五代が響子にプレゼントしたブローチが。

 

五代と響子と春香と三人が写った成人式の写真、その写真が貼ってあったアルバムが閉じられました。

 

アルバムを見ていたのはベンチに座り喪服を着た年老いた五代でした。

 

そしてポケットから写真を取り出し見つめます。

 

写真は若き日の響子でした。

 

しばらく写真を眺めた後、五代は何かを思い駆けだそうとします。しかし、今は杖をついているため思うように足が動きません。

 

でもいつしか杖を捨てて駆けだします。

姿はあのスタジャンを着た若き日の五代になっていました。

 

風景があの時代に変化していきます。

 

たどり着いた先にあったのは、今はないはずのあの一刻館でした。

 

酒盛りをして五代を迎える一ノ瀬のおばちゃん、四谷さん、朱美。

 

そしてほうきを持った若き響子が現れ、五代に声を掛けます。

 

「約束を守ってくれてありがとう。」と。

 

ニッコリと微笑み返す五代、見つめ合う二人。

 

桜に木の下で五代が目を覚ますと響子がそこにいました。

 

以上がパチンコの演出です。

 

この演出が出ると多くのパチンカーは泣いたそうです。

でもなぜこれをパチンコでやるかと思いました。

スペシャル動画かなんかでやればいいのではないかと。

 

原作を知っている人はわかるかもしれませんが、響子が五代のプロポーズを受ける条件として、「自分より1日でも長生きする」ことでした。

 

「約束を守ってくれてありがとう」と言われるということは、先に響子が亡くなったということでしょう。

 

その意味を知っていれば、目頭が熱くなること間違いなしです。

 

Youtubeで「めぞん一刻 約束の向こう側」で検索すればこの動画は見ることができます。ファンの人にはぜひ見て欲しいです。

 

余談ですが、通っていた大学の裏に「メゾン一刻館」というアパートがありました。

当時はどんな人が住んでいるのだろうと思っていましたが、今もあるか検索したらありました。

 

「メゾン一刻館」は健在でした。

時計のついているアパートとはかなり意識してますね。

 

でももし大学生当時に響子さんみたいな管理人さんがいても、今はもうおばあちゃんになっているかもしれないですね。