▼営業業務プロセス標準化という視点

はどこまで有効か?

 

・清涼飲料のように、目に見える形が

あり且つ品揃えが少ない業種では、

営業業務の標準化はコカ・コーラの販

売システムのように大きな成果を上げ

ております・

 

・目に見える形があり且つ品揃えが多

い業種、書店やコンビニエンスストア

や小売りチェーン店などでも、営業業

務標準化が進展しております。

 

・高級店は除き、一般的な料理・飲

食店や旅館・ビジネスホテルでは目

に見えにくいサービス業務が不可欠

ですが、従業員教育が進んでいる

店と遅れている店では業績が大きく

異なります。この従業員教育では優

れた業務標準化が求められ、優良店

では実行されています。

 

・高級の料理・飲食店や旅館・ホテ

ルなど、半分は目に見えにくい人的

なサービスが事業の重要な支柱と

なっている業種でも、最近はサービ

スをプロフェッショナルなサービスと

プロセス型サービスに分けて考え、

プロセス型サービスについて業務

標準化に取り組む企業が増えてい

るようです。

 

・しかし、目には見えにくい知識・ノウ

ハウを武器とするプロフェッショナル

なサービスが事業の支柱である医

療・薬品・コンサルタントなどの知的

サービス業では、業務の標準化は

困難であるし、ある程度成功しても

効果はそれほど期待できないとい

う意見があります。

 

・このテーマについてこれから考え

て参りたいと思います。

 

以下 次号

 

中島利行

 

 

 

 

・これからしばらく、機能が目に見え難

く、販売価格が高い知的産業分野の

セールスプロセス標準化について考え

て参ります。

 

・産業分類表で、その他の専門サービ

ス業を眺めると、興信所、社会保険労

務士事務所・ 経営コンサルタント業 ・

翻訳業(著述家業を除く)・ 広告制作

業 ・不動産鑑定業 ・行政書士事務所 

会計計算センターと記されております。

 

・社労士や行政書士の場合は、範囲が

広範で問題も複雑なテーマに取り組む

わけですが、それでも仕事の基本が

目に見え且つ比較的長期間有効な法

律・行政に沿うという点で土台がしっか

り固まっております。

 

・しかし経営コンサルの仕事は、「学ん

できた経営やマーケティングの原理原

則を指針にして対象企業の経営上の

重要問題を摘出し、その解決策を提言

し、支援することです。 

 

・学んできた経営の原理・原則も法律・

行政のような明確さはありません。い

わば信用度が高い仮設です。最後は試

してみなければ判らない世界です。

 

・そして経営上の重要問題は、企業環

境の変化が激しいため、対応にスピー

ドと柔軟性が求められます。

 

・その意味では社労士や行政書士より

も複雑で見える化が難かしく、セールス

プロセス標準化が容易ではない分野で

す。

 

・また、無名の個人営業のコンサルは、

経営上のすべての問題を手掛けようと

しも、クライアントから見れば安心して

相談し難い存在に見えてしまいます。

 

・こうした事情から経営上の重要な問題

の中で分野を絞った専門家として取り組

み、実績を上げる道を選ぶ方が成功者

になっているようです。


・このような背景から、私は経営の三大

分野(営業・製造・総務)の中で、営業

(マーケティングと販売・・・換言すれば

物流を除く商流・・・の分野に絞った専

門コンサルとして、業務プロセス標準化

と例外管理をテーマにしております。

 

以下次号

 

中島利行

 

 

◆清涼飲料よりも複雑なセールスプロセス

の標準化をイメージしていただくために書店

の営業活動標準化の事例報告を致します。

 

❖過去に「日販通信」で連載した私の記事

から抜粋します。

 

▼店員の仕事を標準化した上で任せ、標

準作業をときどき見直す

 

・基本的な仕事は、定型レベルの業務と、

常に判断を要する業務に分けられます。

 

・定型レベルの業務には,作業マニュア

ルをつくり標準作業による業務遂行が

できるようにすることが重要です。

 

・常に判断を要する業務には、事前に

判断基準(業務指針)を明示して、任せ

ることが大切です。

 

・書店の定型業務は、接客・検品・クリン

リネス・開店準備・朝礼・レジ業務・客注

受け、棚卸、返品業務など。

 

・マニュアル作成手順(例示)・・・

店長方針に基づき、ベテランによるプロジ

ェクトチームで集中的に検討し、最初はレ

ジ業務、棚卸、返品業務などから始めて

使えるマニュアルを早期に完成させる。

 

・書店において、少数の判断基準で割り切

れる業務はたくさんあり、担当者に任せる

ことができます。

 

・品揃え補充業務・・・重点カテゴリーの売

れ筋ロングセラー商品発注作業、2カ月に

1回の棚整理、1回も動かない商品の抜き

取り作業

 

・陳列業務・・・店長方針に沿った雑誌棚、

平台、壁面、中棚の陳列作業、複数陳列、

表紙陳列作業・販促業務

 

▼標準作業の見直しと例外管理の反映

・最近は環境変化が激しいので、過去の

経験から一定の成果が予想できる分野

で予想以下の事実が発生した時には、

新しい標準化を生み出さなければなりま

せん。

 

・このような事実が続いても、その前に標

準作業で割り切れない場合は例外管理

分野として必ず上司に報告し、指示を仰ぐ

システムが確立していれば、上司による

例外管理の結果を新しい標準化に反映

することが可能になります。


▼例外的事実を注意深く把握し、原因を

推測して対応を改善する

 

・陳列作業の業務指針「各棚のゴール

デンラインには、売れ筋銘柄を優先陳

列する」という事例で、例外管理の進め

方をご紹介します。

 

・実用書の棚のライフスタイル分野で、

日販ていばんから、全国的によく売れて

いる「年金・保険のA銘柄と相続・贈与関

係のB銘柄」をゴールデンラインに陳列し

ましたが、商品回転率はその棚で最低で

同じ事態が3か月も続きました。

 

・店長は、「店の中心顧客が中年男性・女

性・若者であり、全国の傾向と異なってい

る」ことが原因だと推測し、売れ筋銘柄の

選定基準に「当店の中心顧客のニーズに

照らして考えること」という指針をを加えま

した。

 

・その結果実用書棚の商品回転率は向上

しました。この場合は推測が正しかったこ

とになります。

 

❖以上長々述べた書店の事例で、清涼飲

料よりも複雑なセールスプロセス標準化の

姿がイメージされたと思います。

 

◆次により複雑な「要説明商品」のセールス

プロセス標準化について考えを進めたいと

思います。

 

以下次号

 

中島利行

 

 

◆セールスプロセス標準化の前提には

セールスプロセスの見える化が必要だ

 

・前回ご紹介した清涼飲料のセールス

プロセス標準化(分解された平凡な単

純作業の徹底的な積み重ね)が、なぜ

成功したのか?を考えました。

 

・結論は、成果を上げているセールス

プロセスの見える化が徹底していると

いうことでした。

 

▼見える化の事例

 

・私が体験した清涼飲料の事例では、

開拓用見本のハンドクーラー、店頭広

告物商品といったツールの整備、ルー

トセールスマンのなすべき仕事のマニ

ュアル・・・得先訪問頻度の決定、商談

の進め方、トラック1台当たりの標準的

得意数決定、標準記入枠入り得意先

カード用紙による事前教育など・・・す

べての作業が誰にでもわかるように見

える化していました。

 

・ルートセールスマンの大半は、地元の

商業高校などを卒業した18歳か19歳の

少年でした。

 

・運転免許も取り立ての彼らが見る見る

うちに一人前のルートセールスマンに成

長していく姿には感動を覚えました。


・標準作業では対応できないことに対し

ては、セールス経験のあるルートマネジ

ャーに任せられており、ルートマネジャー

には別途例外管理の教育を行うという

システムが導入されました。

 

・毎月の活動結果の集約と6か月ごとに

優れた結果の表彰が行われました。

 

・私は親会社に復帰後、このシステムを

清涼飲料のシエアの低い地域に適用す

る仕事に参画しました。やはり売り上げ

は大きく伸びました。

 

▼セールスプロセス標準化、見える化

のノウハウは広範囲な分野に応用でき

るのか?

 

・標準化システムに改善を加え、ノウハ

ウを高度化させれば、清涼飲料のような

目に見えやすく安価な商品ばかりでなく

自動車や生命保険ような単純には購入

の判断し難く、しかも高価な要説明商品

のセ-ルス業務にも適用できると考えて

おります。

 

・さらに、ほとんど目に見えず高価なノウ

ハウを売るコンサルタントが、クライアン

トの営業力を支援する場合の貴重なツー

ルとして活用できると思っております。

 

・そして、コンサルタント自身の売上高ア

ップにも即役立つと考えております。

 

◆標準化ノウハウ高度化の道程は?

 

①購入を判断する基準の複雑さと価格

の高さによって、まず中程度の商品(例

えば千円単位~3万円以下)に適用し

て成功体験を積み重ねる。

 

②購入を判断する基準が大変複雑で、

しかも高価格(たとえがば10万円単位)

のようなコンサルタント用の商品セール

スに適用する。
 

以下次号

 

中島利行

 

 

 

 

 

▼大企業のセールスプロセス標準化の姿は

参考になる

 

・中小企業や個人コンサルのセールスを

考える場合でも、大企業で成功している

セールスプロセス標準化の実態を学ぶこ

とは有効だと思われます。

 

・私の現役時代の体験をご紹介します。・・・

 

・セールス活動があまり標準化されてい

なかった親会社から、外資と合弁の新規

事業立ち上げに出向し、外国企業のセー

ルス標準化の実態を体験しました。

 

・主力商品は清涼飲料でしたが、指導的

立場から伝えられる営業プロセスは見事

に標準化されていました。

 

▼複雑なセールス活動が単純な要素に

分解される

 

・複雑なセールス活動が、平均的な人間

ならば実行可能な単純な要素に分解され

ており、その平凡な要素を徹底的に積み

重ねるというスタイルでした。

 

・具体的には、商品と店頭広告を積載し

たトラックで、取扱い小売先を開拓し、商

品を目立たせる為に、ストック・冷却・陳

列・店頭広告の4原則を徹底して実行

するということでした。

 

・冷却を徹底するためのクーラーの販売

(分割支払)で尻を叩かれました。


・こんな簡単なことでいいのかと疑問視

した我々に対して、合弁会社の指導者

は上から下まで、一貫してこの平凡な

活動の徹底を叫びました。

 

・全社を上げてこの平凡な原則が市場

に貫徹するよう活動し、この4原則が市

場に定着したところ、なんと販売実績が

1年ごとに倍増し、3年後には予想以上

の目を見張るような売り上げとなって、

会社が黒字となった歴史を体験しまし

た。

 

 

以下次号

 

中島利行