コミュニティーカレッジで開かれている生涯学習のクラスを取り始めた。


コースの名前は「Joy of Living (暮らしの喜び)」。


教室に入ると、60代、70代の女性でいっぱいだ。


講師のジョアナさんはソーシャルワーカーでもある。「特に教材はありません。宿題もないから安心して」。出席簿と一緒に、 ボウルに入ったチョコチップクッキーが回ってくる。


意外に人気なコースのようで、受講者は28人。そのうち男性は僕を含めて3人しかいない。残りのリチャードとロバートもおとなしそうな感じだ。


コースのスケジュールがスライドで映し出されると、7回目のクラス「Forgiveness and Apology (許しと謝り)」が、話題になった。


後ろの席に座った女性が、「今から言っておきますが、私には一生許せない人がいる。その日は欠席するかもしれないわ」


他の女性がそれに答えて「それは違うわ。許しは相手のためでなく、自分をわだかまりから解放するためにするのよ」


先の女性が応じる。「みんなができても、私にはムリだわ」。周囲から笑いと共感の声が上がる。


「許し」というテーマひとつ取っても、教室の空気は一気に熱を帯びた。人生経験を重ねるほど、人は知識よりも、人との関係や心の整理の方に関心が向くのかもしれない。


そう考えると、「Joy of Living」という題名も、旅行やグルメの話ではなく、「どう生きるか」という問いそのものを指しているのだろうか。


来週は、どんな展開になるのだろう。リチャードとロバートもちゃんと来てくれると良いのだが…。