ロースクール3年目の最終セメスターは、民事訴訟法ⅠとMBE(択一試験)演習を履修した。


ある日、MBE担当の若い教授が、

「来週テストをします。40点未満は、落第になります」

100人以上の学生で一杯の大教室に緊張が走った。


MBEの範囲は合衆国憲法、契約法、刑法・刑事訴訟法、民事訴訟法、不動産法、証拠法、不法行為の7科目。僕が授業でとった科目は半分しかない。


翌週の試験。悩みながら、4択から1つの答えを選ぶが、時間もないし、手ごたえがない。


その次の週、教務課に答案を取りに行った。50問中、正解14問。28点しか取れていない!


担当教授に連絡すると、教務課のアドバイザーを紹介してくれた。


日本酒サンプルを持って挨拶に行くと、ロースクール卒業生の女性アドバイザーだった。

「40点未満は落第と聞いているが、何とか続けたい」と懇願すると、

「今のまま授業を続けるだけでは心配ね」としばらく考えて、

「担当教授から毎週1回、個人指導してもらえるように頼んでおくわ」

と、意外な返事が返ってきた。


翌週の授業。担当教授から、

「40点以下の答案が1枚だけありました」

と発表があると、教室が静まり返った。事情を知っているのは、僕1人だ。


「検討した結果、落第させないことにしました」

安堵のため息が漏れる。


その日の夕方から、担当教授の個人指導が始まった。1週間に5つの択一問題をメールでもらい、回答をメールで送る。授業後、教務室で30分間、答案の解説を聞く。


個人指導は2ヶ月ほど続いた。最初は、5問中2問間違うこともあったが、次第に全問正解が増えていった。


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