健康食品ビジネスを、アメリカで展開するにあたって、馬井専務の方針は「体験に勝るものなし」だった。


そこで、教育評論家で天然塩ファンでもある阿部進を迎えて、ロサンゼルス講演会が行われることになった。


当日、会場のホテルには、地元に住む日本人が200人近く集まっていた。事前に地元の日本語雑誌にインタビュー記事が出ていたので、関心が高まっていたようだ。


馬井をジェイに紹介した”先輩“も日本から飛んできた。司会に紹介され「シュタイナーの全人教育」について話した。普段パチンコと麻雀ばかりしているとは思えないほど堂々としている。


阿部進の講演が始まった。

「私はこう見えても血液型A型なので、人見知りするし、恥ずかしがり屋です。恥と言う概念がないB型の人が羨ましい」と掴みがうまい。


会場を見渡して、血液型の性格分類は科学的根拠はないと言われるが、と前置きしつつ、

「A型の人は、アメリカに来る前に、お金を貯め、英語を勉強し、しっかり準備をしてきたのに、来てみたら準備不足だったとわかり、がっかりする」


心当たりがある人が多く、笑い声が上がる。


「B型の人は、ずっと前からアメリカに住んでいるような顔をしている」


もっと大きな笑い声が上がる。


「O型は、他の血液型にくっついて、いつの間にか来ている。AB型は、なんできたのか自分でもわからない」


言われてみれば、どれも当たっているような気がする。


続いて、天然塩の効果について。


阿部は、自分で天然塩を水に溶かして毎日飲んでみたという。


「1週間したら、目がきれいになったと言われたんです」


目の毛細血管の血流が良くなったためではないか、と考えているという。


2週間、3週間と続けるうちに、

「肌がつやつやしてくるし、黒い髪が増えてきた」と自身の体験を語った。


講演会終了後、阿部進の顔をイメージしたパッケージの「カバマンの塩」が開発され、ロサンゼルスへ向けて輸出が始まった。


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