韓国人セールスと同行営業すると、必ず出くわすシーンがある。


店に着くなり、いきなり店主がすごい勢いで怒っている。それに対してセールスも負けずに何か言い返している。


しばらく口論が続く。


僕は横で、

「これは大丈夫なのか?」

と心配になる。


ところが、店を出ると、二人でタバコを吸いながら笑い合っている。


一体、なんなんだろう。


韓国人セールスに聞いてみた。

「トヨジーさん、日本人はお客さんがセールスより上だけど、韓国では対等なんだ」


なるほど。

だから、言いたいことがあれば、相手が店主でも遠慮なく主張する。


お互いに言いたいことを言い合う。


そして、言い合った後は、何事もなかったように一緒にタバコを吸っている。


毎回、怒鳴られ、言い返し、最後はタバコを吸って談笑する。


営業もなかなかの大仕事だ。


でも、もしかすると、そうやって信頼関係を築いていく社会なのかもしれない。


韓国系オーナーには、また別の面もある。


「遠くから来てくれたんだから、1ケースだけ買うよ」

と言ってくれる人情家もいる。


「昼、一緒に食べていけ」

と、キムチとソーメンの従業員用ランチに誘ってくれることもある。


一方で、支払いになると、

「韓国人から回収するのが一番難しい」

と、韓国人セールス自身が嘆く。


情が深い。

付き合いも濃い。

その分、商売のルールは少し大らかだ。


慎重に考えてから動く日本人。

まず走り出して、走りながら考える韓国人。


もちろん、これは僕がアメリカの日本食業界で出会った人たちを通して感じた印象に過ぎない。


でも、アメリカで日本酒を20年以上売ってきた僕には、この違いが、日本酒市場の成長を考える上で、大事な要素に見えてきた。


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