コミュニティーカレッジの生涯学習コース、今週のテーマは「謝罪と許し (Apologies and Forgiveness)」だった。
クラスの中で見たビデオでは、心理学者が1つのエピソードを紹介。夫に食料品の買い物を頼んだら、熟したバナナを5本買ってきた。
2人暮らしでそんなに食べないとわかっているのに「なぜ熟したバナナを5本も買ってくるの」と聞いても、夫はなんだかんだと理屈を言って謝らない。しかも、これが3回目か4回目だという。
クラスでは、他にいろいろ話があったのだが、バナナのエピソードが妙に心に残った。
僕も同じことをしそうだからだ。
なぜ、夫は熟したバナナを5本も買ったのだろうか?
もしかしたら、男の脳には、狩猟採取時代から必要より多めに家族に食料を持って帰るという本能が刻み込まれているのではないか。
しかも、食べ物をたくさん持って帰ったら家族に喜ばれたという記憶が、DNAに残っているのではないか(科学的根拠はないが…)。
家族を守りたい、家族を喜ばせたい、そのために多く持って帰ろう、という強いモチベーションが根っこにあるのではないか。
僕も、お酒を飲んだ後など、なぜかドーナツをたくさん買って帰宅し、家族に呆れられたことがある。アルコールで理性が緩んで、本能が顔を見せたのかもしれない。
いや、これは男だけに限った話ではない。
家族の好きな料理を多めに作る母親。孫たちに何か買ってあげたいと思う祖父母。そこには、理性よりも強い衝動みたいなものがある。
家族を喜ばせたいと思って買った熟したバナナが、夫婦をギクシャクさせる。愛情のズレというかボタンのかけ違いというか。
人間の心理は複雑で、人生は喜劇的だ。「謝罪と許し」のテーマは、2時間で済ませるには少し手強すぎる。
Photo courtesy of Super Healthy Kids