バス停で同年輩の女性が、話しかけてきた。


「Are you Japanese? (日本人ですか)」


そうです、と答えると、

「日本はクリーンでいいわね。みんなゴミを捨てずにポケットに入れて持って帰るってほんと?」


なぜそんなことを知っているのか、と聞くと、

「YouTubeで見たの。街中にゴミ箱もないそうね」


ワールドカップの影響もあるのか、日本人の「きれい好き」は世界中で評判になっているのかもしれない。まあ、評判が良いのはありがたい。


バスには、いろいろな人が乗ってくる。


コロンビアロースクールの帽子をかぶったおじさん(本当か?)、メッシの名前が入ったアルゼンチンのユニフォームを着た中国系女性、遊戯王のTシャツを着た30代ぐらいの男性。


みな主張している、というか、自分が着たいものを着ているのだろう。


地下鉄に乗り換え、ロサンゼルスダウンタウンの駅近くで、待ち合わせをしている。高級ホテルとスラム街が道を挟んで隣接するエリア。


ベンチに座っていると、ラテン系の女性ホームレスが携帯のチャージャーはないかと聞いてきた。


僕は話し掛けやすいタイプなのか。それとも隙だらけなのか?


ディストリビューターのマネジャーの車に乗せてもらい、目的のレストランまで往復の1時間、サッカーW杯の話題から始まり、スペインの思い出(マネジャーは駐在経験あり)、日米の物価と暮らし安さ比較、ゴルファーの高齢化、多様な人種が働くオフィスでのハプニングなど話題が尽きない。


会社員だった当時は当たり前だった雑談が懐かしい。一人の時間が好きな僕だが、たまに入る同行営業では「人からエネルギーをもらっている」と実感することがある。


もう一度地下鉄に乗り、最寄りの駅に着いたら、地上に出るエスカレーターが止まっていた。長い長い階段を登るのは“しごき”に近い。


ハプニングは、エネルギーを消費する一方で、エネルギーを生み出す燃料のような面もある。


クリーンでなく、整ってもいないアメリカだが、良くも悪くもエネルギーを感じる。


几帳面な日本のペースには馴染めない僕だが、「日本人ですか」と聞かれると少しホッとする瞬間がある。あまのじゃくだな。