阪神大震災で父親を失った小学校1年生の男の子がいた。父親が死んだことが理解できず、悲しいとも思わなかった。


中学1年生になったある日、通学の途中に突然、悲しみが押し寄せた。父親を失ったショックと悲しみが湧き上がり、夜になっても涙がボロボロ出たという。新聞で読んだストーリーだ。


父親の死を理解し、悲しみを受け入れるのに6年かかっている。心の癒しには、タイムラグがあるのだろう。


コロナ禍のピークを過ぎた後も「インナーパンデミック(内なるコロナ禍)」といわれる現象が報告されている。表面的には収束したように見えても、心の傷は癒されていない場合が多い。特に子供や若者の心に与えたショックは大きいのではないか。


アルコール依存症の親を持った子供が成長し、大人になった後も自己肯定感が低かったり、人間関係でつまずいたりする例がある。


アダルトチルドレン・オブ・アルコホリック(ACoA)は、その理由について「インナーチャイルド(内なる子供)が傷ついたままになっている」と指摘する。


同協会のウェブサイトには、次の説明がある: 

「癒しは、私たちが危険を冒して孤立から外に出る時に始まる。感情や埋もれていた記憶が戻ってくる。まだ表現していない悲しみの重荷を徐々に解放していくことによって、私たちはゆっくりと過去から抜け出る。私たちは、優しさとユーモアと愛と敬意をもって、自分自身を育て直すようになる」


僕も、アルコール依存症の父を持ち、日本酒セールスマンとして長年働き、今は酒コンサルタントと、アルコールまみれの人生だ。


僕のインナーチャイルドは「いい加減にしろ」と言っているかもしれない。


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