Z世代の若者が一番欲しがっているのは「成長実感」。しかし、それが得られないのでいつも不安を抱えている。
東京大学講師で「Z世代化する社会」の著者、舟津昌平氏のインタビュー動画が、面白かった。
それによるとZ世代を理解するキーワードは「不安」と「成長」だという。
https://youtu.be/i1QjD8fdgmY?si=UB--DP7esmbG0BwA
舟津氏によると、漠然とした不安に「特に根拠は無い」。誰もが何かしら不安を抱えているものだ。その中でも、SNSを通して情報に接する機会が多い若者ほど、不安に晒されるリスクが高い。
それに加えて、不安を煽るビジネスが活発だ。「体臭がしているかも」とアピールする消臭スプレー。「就活は大学1年から」と早めの登録を勧めるリクルート会社。「他社でも通用しますか」と呼びかける転職サイトなど。
一方で、若者は常に「成長実感」を求め“強迫症”になっている。が、これも舟津氏に言わせれば「10年のスパンで比較するならともかく、昨年より成長したとかしないというのは“幻想”に近い」と疑問視している。
アメリカでも不安を煽る防犯ビジネスや、成長をテーマにしたセルフヘルプ(自己啓発)本やライフコーチが盛んだが、関心があるのは一部の人だろう。
日本の場合は、日本人特有の気真面目さ、国全体にのし掛かる将来への不安、周囲の目を気にする習性などが一緒になって「不安」を加速させているのではないか。
舟津氏は、こうしたZ世代の傾向について、「いずれ(他の世代を含め)日本全体に波及する」と予想している。「Z世代化する日本社会」だ。
ところで、海外でのアニメブーム、日本文学の翻訳の相次ぐベストセラーなどを見ていると、若者の世代から「日本化する地球」現象もひょっとしたらあり得るかもしれない。
ちょっと飛躍し過ぎかな。
Photo courtesy of Mashable