「SEEK」(Scott Shigeoka著) を読んでいる。副題は「好奇心が、あなたの人生と世界をどう変えるか」。


著者はハワイ出身の日系人で、好奇心研究のエキスパート。本書は政治、宗教、性的嗜好、所得などいろいろな面で分断されたアメリカ社会で、「孤独にならず人とつながる方法」について模索した体験を紹介している。


民主党支持で同性愛者のスコットさんは、敢えてトランプ候補の遊説に参加したり、保守的な教会のミサに参加したりして、友人作りを試みる。


結果は、一言で言うと自分次第。思い込みや偏見を捨て、相手の言うことを理解しようという気持ちがあれば、意見の違いはあっても友達にはなれるという。


その4つのステップを表した言葉が、①Detach (偏見を捨てる)、②Intend (心の準備をする)、③Value (相手を尊重する)、④Embrace (受け入れる)、頭文字をとってDIVE (飛び込め)だ。


本書のエピソードの中で、保守的なクリスチャンは同性愛者を嫌うだろうと思っていたスコットさんに、ある男性が「No two Christians are equal (クリスチャンといっても、皆違う)」と言う場面が印象的だった。


とはいえ、自分と違うタイプの人たちに近づくのは、勇気も忍耐も必要だろう。その原動力が「好奇心」というわけか。


僕は、好奇心というものは、輝く夢や目標となって人生をタテに引っ張っていってくれるものだと思っていた。本書によると、好奇心は友人を増やし視野を広げ、人生をヨコに拡大させてくれる働きもあるようだ。


好奇心、侮ることなかれ。


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