妻が日本に里帰り中なので、2人の息子と男3人暮らし。まるで男子寮だ。セミリタイアして暇のある僕が中心になって、妻が準備していった献立表と格闘している。


今日のディナーはハンバーグ。明日のランチも兼ねているので1.5kgの挽き肉を、パン粉、卵、炒めた玉ねぎなどとこねる。パーキンソン病で腕に力が入らないので、こねと成形の力仕事は次男がやってくれた。


不ぞろいで焦げ目の多いハンバーグと、ざくざく切ったキャベツのコールスローを食べながら、エンジニアの長男はカレッジ在学中の次男に、財テクの講義をしている。


「いいか。俺たちは親から譲り受ける財産はないんだぞ」。息子たちの目標は50代でリタイヤなのだ。2人とも酒もタバコもやらないし、デートもおしゃれも関心がないようだ。ちょっと地味過ぎないか?


長男は、サンフランシスコの大学在学中は、仕送りが少なかったので全部の教科書をネットでダウンロードして凌いだらしい。しかも、僕がパートで収入激減してからはアパート代と次男の学費も払い、僕のバス定期券まで払ってくれている。


僕の若い頃からを振り返ると、求人雑誌の編集パート、渡米、ローカル新聞社とすし店ウエイター掛け持ち、お金ないのに結婚、次男の病気、リストラ、日本酒営業、テキサス単身赴任とバタバタの人生だった。


今から思うと、当時の僕の目標は「アメリカ放浪の旅」だったのではないか。ずっと貧乏だったが、一応夢は叶っている。


考えてみれば息子たちも、僕の勝手な夢に付き合わされ、アメリカで生まれ育ち、家では日本語を話し納豆を食べるという変な生活を共にしてくれたとも言える。「ご苦労様。自分の人生、好きなように生きてくれ」。


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