中国系スーパーに行くと中国語で話しかけられる。韓国系スーパーでは韓国語で、ベトナム系スーパーではベトナム語で話しかけられる。きっと、アジアのどこにでもいるような顔なんだろう。


アメリカに来るまで、自分がアジア人と思った事はなかった。渡米間もない頃は「Asian」とか、時には「Oriental (東洋人)」と呼ばれると、「I am Japanese」と修正していた。知らないうちに、アジア人に対する差別感を持っていたのだろう。


2022年の人口統計によると、全米のアジア系人口は約1900万人で全体の6%。カリフォルニア州では約600万人で同州の15%を占める。


僕の住む街も、フィリピン系と韓国系のコミュニティーがある。アジア系が多く住む街は治安が良く、学校のレベルも高くなると言われる。


ピューリサーチセンターが2022-2023年に在米のアジア系7006人を対象に行った世論調査によると、アジア系が受ける差別で1番多いのは、「アメリカ生まれなのに外国人だと思われる」ことらしい。また、アメリカ人の多くがアジア人に対して「勤勉で裕福。数学に強いが、創造性はいまいち」という固定観念を持っているという。


ちなみに僕は裕福でないし、数学にも弱い。しかし、アメリカの学校では勤勉で、数学に強いアジア系の学生が多い印象がある。「創造性がいまいち」と言われるのは、知っていても発言が控えめだったり、過激な提案はしない傾向があるのだろう。


ところで、僕はアジア系と言う理由で、差別を受けた記憶は無い。それもそのはずで、在米30年以上のほとんどをアジア系の多いカリフォルニアで過ごし、勤めていたのは日系企業で、全米各地を出張で回っても、訪問先は日本食レストランかアジア系スーパーだったのだ。


政治や経済、人種問題など、いろいろな分断が続くアメリカ社会で、粘着剤になり得るアジア系の役割は大きいと思う。副大統領のカマラ・ハリスはインド系黒人だし、トランプ前大統領と共和党予備選を争ったニッキー・ヘイリー元国連大使=写真=も両親はインド系だという。


アジア系の活躍は、アメリカの多様性を次のステップへ持ち上げてくれるのではないか。


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