田坂広志・多摩大学大学院名誉教授の講演をYouTubeで聞いた。テーマは「AI時代の人材」。言い換えれば「AIに置き換えられない人材」の要件だ。


https://youtu.be/vXtymK6b68I?si=V6XtrmLeadDwBPpg


田坂氏によると、今までは“人材”といえば頭脳が優秀、すなわち豊富な知識と論理的思考ができることが条件だった。だが、量からいっても、スピードをとっても、AIには圧倒的に叶わない。


このため、弁護士や会計士、司法書士等のいわゆる士(さむらい)業や銀行員等の仕事の多くが、AIにとって代わられる可能性が指摘されている。


その点、AIに置き換えのきかない資質として挙げられるのは、①クリエイティビティー、②ホスピタリティー、③マネジメント、だという。


①クリエイティビティーは、答えのある問いに対して、AIが瞬間に応えるのに対し、答えのない問いに辛抱強く向き合い解決の道を導き出す能力。


②ホスピタリティーは、相手の状況を理解し、心情を推察し、共感できる対人能力。


③マネジメントは、1つの会社や団体の中に留まらず、異業種の橋渡しをし、新しいビジネスを創造できる能力。


田坂氏は、これらの能力は経験に負うところが大きいが、毎日の行動や結果を見直す「リフレクション」の習慣により、「成長のスピードを3倍速できる」という。また、10代の内から「日本を良くしよう」「世界を良くしよう」と大きな志を持つことが大切という。


そうか。AI時代に人間が勝てる資質がまだ残っていたか。しかも、いずれも失敗や経験から学び、勇気を持って理想に向かっていく「人間らしさ」が基本になっている。


70代の田坂氏は21世紀アカデメイアの学長として、それを若者たちに教えている。60代の僕は、どの能力をとってもまだまだだ。もう少し現場で修養を積んでみようと思う。


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