インターネットのおかげで、友人の数が爆発的に増えることがあるだろうか。英国の人類学者、ロビン・ダンバーによると、答えは「No」だ。


同氏によると、1人の人間が安定的に付き合える友人の数は平均150人。これを「ダンバー数」と呼ぶ。友人の数は個人によって差があるが、大体100人から250人の間に収まるという。


https://youtu.be/07IpED729k8?si=PFsgbBXdWC0mjCyI


ダンバー数の概念のベースになっているのは、人間の大脳皮質の大きさと、人間が作る群れの大きさ。その数は動物によって違っていて、チンパンジーだと50匹程度だという。


ちなみに、僕のFacebookに登録されている友人の数は189人。だいたい平均に収まっている。ただし、この中には友人の家族、友人の友人なども含まれていて、実際に会っても誰だかわからない人もかなり含まれている。


なぜネットの力を利用しても、友人の数が爆発的に増えないのか。ダンバー氏によると「友人関係を維持するためには、時間とエネルギーがかかるから」。時々話したり、一緒に会ったりしていないと、友人関係は維持できなくなってしまう。


実際、非常に親しい友人の数は、通常3人から10人の間らしい。しかも、恋愛している人は、(恋人に時間とエネルギーをかけるため)、友人の数が減る傾向があるという。


ところで、電話やネットでのコミニケーションは女性同士のネットワーク作りには向いているが、男性にはそこまで効果は無いらしい。(英国で女性同士が電話で1時間以上話すのは珍しくないが、若い男性同士の通話時間を調べたら平均7.3秒だった)。


それではネットの効果は何だろうか。1つは、遠距離のコミュニケーションが無料になったことだろう。遠距離恋愛もずっとしやすくなった。もう1つは、コミュニケーションの相手を世界中から見つけてこられるようになったこと。僕も、ブログを通して、同じパーキンソン病の仲間や同じ趣味の人と交流ができるようになった。


ネットによって、たとえ友人の数(ダンバー数)は変わらなくても、友人の顔ぶれ(ダンバー・フレーバー?)が多彩になってくるのは面白い。


Photo courtesy of ED Times 


https://shipfan.jp/


https://furikake-mania.com/