第一話。
思いがけない展開
ちょうど3年前、パーキンソン病と診断された。当初は多少指が震える程度、さほど心配しなかった。たまたま同時期にテキサス赴任を命じられ、単身赴任が始まった。
そして3年後、症状が少しずつ進行し、右手の震え、動作が遅くなり、時々体のバランスを失うことがある。見かねた上司から、運転が必須の営業を断念し、内勤にシフトしてはどうかと提案があった。
そうこうして出た結論は、テキサス単身赴任を終え、妻子がいるカリフォルニアに帰る。そして、会社を一旦退職し、会社のインターネットのニュースやブログ更新などを個人で請け負う。
ちょうど社会保険受給対象の年になっていたこともあり、思いがけずセミリタイヤメントすることになった。
パーキンソン病がなければ、5年、10年とテキサス単身赴任が続いていたかもしれない。家族がバラバラになっていたかもしれない。気がついたら体を壊していたかもしれない。前向きに考えれば、パーキンソン病が全く新しいステージを開いてくれた。私と家族の手探りの、第3の人生が始まった。