(再録)江藤 淳「南洲残影」(文藝春秋・1524円+税) | 野球少年のひとりごと

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(再録・2022.2.5既出)

おそらく、この冬いちばんの寒さ(正午で4度)で、書斎も室内暖房器と遠赤外線カーボンヒーターを付けている。二匹の猫も、書斎の椅子に敷いてやった専用の毛布で一日寝ている。今夏で18歳と14歳になる老猫(ともに雌)は寝ている時間が増えている。玄関に面す駐車場(近所の小学校の教職員用)新設の工事も、昨日でアスファルト舗装が終わり今日は休んでいる。後は周囲のフェンス塀の工事くらいだと思うが、目前に家が建ち並ぶよりは視界が保ててよかったと考えている。(以前は、市営プールがあって夏の間だけではあるが、二階のベランダなどから顔を覗かすことが憚られて、それなりに面倒ではあった)それにしても、引越しして来た当時は廻りに家がほとんど建っていなくて、付近の国道170号線を走る車の風景は、特に夜間アメリカのハイウェイのようで、眺めていても楽しかった。眺望できる和泉山脈も、近くの里山も遮るものがなくて、疑似田舎暮らし(大阪の都心まで電車で1時間ほど)を満喫できたものだが、少しずつそれが適わなくなっている。東山丘陵に、この14年ほどで1000軒が建ち、1200軒を越えた。(完成時、70㌶に1500軒が建つ)

 

本の話である。幕末に重要な役割を果たした西郷隆盛に関するもので、江藤 淳「南洲残影」(文藝春秋・1524円+税)と頭山満 講話・雜賀鹿野 編「西郷南洲遺訓講話」(至言社・2000円+税)の2冊のことを。江藤 淳「南洲残影」は、帯に『「西郷南洲』は思想である この国で最も強固な思想である いまなお近代日本に対峙する虚像 西郷隆盛を描き切った画期的労作』とある。もう1冊の、頭山満 講話・雜賀鹿野 編「西郷南洲遺訓講話」は、副題に「日本的倫理思想の精髄」とあり、「大正14年政教社から出版されて以来、版を重ねること十数版に及び、有為の青年に愛読されてきた名著である。」とのことである。西郷隆盛が好きで様々なものを読んできたが、この2冊など定本ともいうべきものである。お勧めです。

 

江藤 淳「南洲残影」 この本は歌に始まり歌に終わる。薩摩琵琶歌、「抜刀隊」「孝女白菊の歌」、そして童歌……。滅亡することが明らかな戦いに、なぜ西郷は立たねばならなかったのか?何に対して戦ったのか?嫋嫋(じょうじょう)たる歌の調べにのせ、「西郷という思想」の意味が明らかにされる。

 

   

 

頭山満 講話・雜賀鹿野 編「西郷南洲遺訓講話」 悲劇的な最後を遂げた明治維新の指導者・西郷隆盛の遺した「西郷南洲遺訓」と、頭山満による「西郷遺訓講話」を収録。90年刊の新装版。

 

   

 

写真は、東山丘陵運動公園の遊歩道で撮影する。