宇沢弘文「自動車の社会的費用」(岩波新書・740円+税) | 野球少年のひとりごと

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本のことを中心に、関西学生野球や高校野球のことをつぶやいています。
また、父・洋画家「仲村一男」の作品を毎日紹介しています。

午後から、女房は娘の運転する車で岸和田まで出かけ、所属する女声合唱団の定期練習に参加する。その少し前に帰宅の孫娘たち(中1になる双子の)の期末テスト最終日の、国語、美術は易しかった(90点以上はとれたようで)が社会は難しかったようだ。美術のテストで、「フェルメール」が出たらしいが近年の異常といえる評価の高さ、私にはわからない。昨夜彼女らが話していた「色の3原色」は私の専門といえるが、こちらも出題されたようだ。連日遅くまで勉強(加えて、月曜日と水曜日は進学塾が通常通りあって)していた疲れもたっぷり溜まっていると思うが、午後からは二人してゲームに熱中している。テスト結果にかかわらず小遣いを遣らないといけない。お疲れさんでした。

 

本の話である。今朝で読了の、堤 未果「政府は必ず嘘をつく」(角川新書・800円+税)もたいへん刺激的(いままで読んだすべての著作同様に)で一気に読めたが、その巻末に参考文献として敬愛する、宇沢弘文の『経済学と人間の心』(東洋経済出版社・2003年刊)と『社会的共通資本』(岩波新書・2000年刊)が出ていて、未読であれば購入する必要があると思い「読書ノート」を確認したら、先年、彼のものを集中的に取りかかったときに読了していた。そこで今日紹介するのは、「自動車の社会的費用」(岩波新書・740円+税)と「近代経済学の再検討(批判的展望)」(岩波新書・840円+税)の2冊である。刊行年は、それぞれ1974年と1977年。宇沢弘文のことはもっと見直されてよいと思う。

 

「自動車の社会的費用」 自動車は現代機械文明の輝ける象徴である。しかし公害の発生から、また市民の安全な歩行を守るシビル・ミニマムの立場から、自動車の無制限な増大に対する批判が生じてきた。本書は、市民の基本的権利獲得を目指す立場から、自動車の社会的費用を具体的に算出し、その内部化の方途をさぐり、あるべき都市交通の姿を示唆する。


「近代経済学の再検討(批判的展望)」 現代の経済学としての社会的共通資本の理論へ
 インフレーションや寡占といった経済現象、さらには、環境破壊や公害、人間疎開などの社会問題に、現代の経済学は有効に対処できているのだろうか。いわゆる近代経済学の理論的な支柱をなす新古典派経済理論の検討からはじめて、ケインズ理論の意義を限界を考察し、今日の経済学が当面する危機を乗りこえる方途をさぐる。

 

フランスで描いた水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/