ディヴィッド・ハルバースタム「ベスト&ブライテスト ㊤㊥㊦」(朝日文庫・各900円+税) | 野球少年のひとりごと

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午前7時に、3匹の猫たち(メラ、ロク、グレイの生後1歳4カ月の、わが家にやって来て1年の雄の兄弟。他に、同じく6月で16歳になった先住猫チビ=小型の雌がいる)に餌をやるために起きたが、その後もう一度寝ようと考えたがなかなか寝付けず、二度寝して目覚めたのが10時過ぎと昨日同様である。7時に起きたときに、そのまま着替えて朝刊を読むかパソコンを開くか迷ったあげくのことであるが、結局、午前中に出来たのは書斎と2階の廊下のモップかけとパソコンでのメールチェック、及びブログのチェックまでで、読書に取りかかったのは昼食後となる。作業途中の庭の木々の剪定も今日は出来ずじまいに終る。明日も明後日も晴れる予定なので、梅雨前までに最低限のことだけでもしょうと考えている。まあ、体調と相談しながらのことだが。猫たちのことは、女房のブログ「コーラスガールのひとりごと」でご確認ください。

 

本の話である。昨日につづきディヴィッド・ハルバースタムのもので、ベトナムを描いたジャーナリストの仕事で定本ともいうべきものが、「ベスト&ブライスト ㊤㊥㊦」(朝日文庫・各900円+税)である。朝日文庫の3冊本で読めるが、帯によると「ベトナム戦争を通しアメリカ現代政治の本質を暴いたジャーナリズムの金字塔」とあるように、研究者も含め必須のものとなっている。ベトナム戦争に関しての思い出といえば、高校時代にアメリカ史研究会に所属していたこともあり、図書館でアサヒグラフなどでベトナム戦争の惨状などが報じられているのを割と熱心に見た。それに朝日新聞などの報道を通じて、ホー・チ・ミンは勿論、ゴ・ディン・ジェムとかグエン・カオ・キなどの名前や、トンキン湾、ディエンビエンフーなどの地名を知った。出版社に勤務時代の最初の海外出張がタイで、途中で給油のために降りたマニラの空港の様子がおかしく、というのも銃剣をつけた兵士がその辺りに犇めき沢山の戦車の姿も見えた。それはバンコックについたときも同様で、後でその日(1975年4月30日)がサイゴン陥落でアメリカ軍がヘリコプターなどで脱出した当日であることを知ることになる。本書に戻ると、当時のアメリカの政治状況も含めてベトナム戦争の全貌を示す力作ノンフィクションである、興味のある方は大部のものであるがお勧めする。

 

「ベスト&ブライスト ㊤」 栄光と興奮に憑かれて 躍り出た超エリートたち The Best & Brightest―ケネディが集め、ジョンソンが受け継いだ「最良にして最も聡明な」人材だと絶賛されたエリート達が、なぜ米国を非道なベトナム戦争という泥沼に引きずり込んでしまったのか。賢者たちの愚行を、綿密な取材で克明に綴るベトナム問題の記念碑的レポート。

 

   

 

「ベスト&ブライスト ㊥」 ベトナムに沈む星条旗 歪められたベトナムの真実 ケネディの暗殺、「偉大な社会」を目標に掲げるジョンソン新政権の成立。米国内の政治状況が混沌とする中、ベトナムへの軍事介入は、政権参画者たちの野心や自己欺瞞のため、拡大の一途をたどる。政権内部でわずかに挙がる戦争懐疑派の意見も押し潰され、ベトナムの悲劇は続く。

 

   

 

「ベスト&ブライスト ㊦」  アメリカが目覚めた日 徐々に明かされるベトナム戦争の真実。自国の愚行に気づいた米国民による反戦運動、その一方で、分裂、崩壊するジョンソン政権。そして、ニクソン新政権の樹立。ベトナム戦争という深い闇に、いつ光は射すのか。米国の苦悩と挫折、救いがたい運命を描いたノンフィクションの傑作。

 

   

 

ポルトガル、フランスで描いた水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/