(再録)星 亮一「女たちの会津戦争」(平凡社新書・780円+税) | 野球少年のひとりごと

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(再録・2022.1.27既出)

午後3時で10度、風もなく春のような日差しでウォーキングには絶好の日和である。女房と娘は時間差で出かけ、どちらもニュータウン内の周回路を30分ほど掛けて歩く。娘の方は速歩に近く、この季節でも汗びっしょりで帰って来る。わたしは、出掛けに女房に入れて貰った冷たい珈琲でドーナツを囓りながらパソコンに向かっている。ウォーキングに関しては、とりあえずいまのコロナ感染が収まってから(マスクを付けながらのウォーキングを好まないので)にしょうと思っている。それにしろ暖かくなって来た(もう一度くらい寒気が襲うかも知れないが)もので、庭の枇杷や紫陽花が芽吹き始めている。結局この冬、 寒肥も施していない(この数年)し予定していた庭に真砂土も撒いていない。寒かったのとコロナ禍で、庭に出ることさえ躊躇したところがある。

 

本の話である。このところ読んでいる「安岡章太郎集 9」に所収の、「流離譚」は土佐藩が主体の幕末を描いたものだが、土佐藩も加わる官軍が会津(若松)を攻めるべく二本松(現在の福島県二本松市)を出発したところまで来ている。いわゆる「戊辰戦争」が始まるわけだが、今日紹介するのは、帯に「女たちの壮絶な戦場体験」とある、星 亮一「女たちの会津戦争」(平凡社新書・780円+税)と、同じく幕末の新撰組に材を取る、浅田次郎「壬生義士伝 ㊤」(文春文庫・670円+税)、「壬生義士伝 ㊦」(文春文庫・760円+税)のことを。

 

星 亮一「女たちの会津戦争」 藩主松平容保が京都守護職を務めたために戊辰戦争で薩長の理不尽な攻撃に最後まで抗ったのが会津藩だった。尚武の気風で知られた会津藩では家中の女性も戦闘に参加、自刃、籠城、逃避行などさまざまな形で戦禍の悲惨を味わった。この凄絶な戦いと敗戦後の下北移住の中で、女たちはどのように生き、そして死んでいったのか。その凄絶な戦場体験から、明治になって活躍する姿まで、会津の女たちの強さを明らかにする。

 

   

 

浅田次郎「壬生義士伝 ㊤」 五稜郭に霧がたちこめる晩、若侍は参陣した。あってはならない“まさか”が起こった-義士・吉村の一生と、命に替えて守りたかった子供たちの物語が、関係者の“語り”で紡ぎだされる。吉村の真摯な一生に関わった人々の人生が見事に結実する壮大なクライマックス。第13回柴田錬三郎賞受賞の、傑作長編小説。

 

   

 

浅田次郎「壬生義士伝 ㊦」 小雪舞う一月の夜更け、大阪・南部藩屋敷に、満身創痍の侍がたどり着いた。貧しさから南部藩を脱藩し、壬生浪(みぶろ)と呼ばれた新撰組に入隊した吉村貫一郎であった。“人斬り貫一”と恐れられ、妻子への仕送りのための守銭奴と蔑まれても、飢えた者には握り飯を施す男。元新撰組隊士や教え子が語る非業の隊士の生涯。浅田文学の金字塔。

 

   

 

写真は、東山丘陵運動公園の遊歩道で撮影する。