嵐山光三郎「老人は荒野をめざす」(ちくま文庫・880円+税) | 野球少年のひとりごと

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午後から、孫娘たち(中学1年になる双子の)の担任による家庭訪問で、2時に女性の先生(24歳の数学が担当の)が3時過ぎには男性(32歳の理科が担当の)先生がやって来る。それぞれ5分程度であるが門を通り玄関で話してゆく。入学して間もないこともあり挨拶が目的の家庭訪問であると思うが、5分ほどの家庭訪問を3日も4日もかけてやるほどの必要性があるのかどうかその労力を考えると大いに疑問。孫娘たちは先生が到着する頃には2階の門が見える部屋にあがりカーテン越しに見ようと、クスクス笑いながら待機している。これは昨年も見た風景で、そのときはどちらかの担任の女性教師に見つかり失笑されていた。

 

本の話である。今日アマゾンから届いたのは、嵐山光三郎の新刊(文庫オリジナル)で「老人は荒野をめざす」(ちくま文庫・880円+税)である。独特の軽薄さが持ち味の嵐山光三郎はわりと好きで、代表作と目されるものはほぼ読んでいる。「昭和出版残侠伝」「よろしく」などは面白く読めた。もう1冊、昨年の11月に出た、横尾忠則「老いと創造(朦朧人生相談)」(講談社現代新書・1200円+税)とともに紹介する。

 

嵐山光三郎「老人は荒野をめざす」 「老残」を越えて生きるのだ!26年間続いた人気コラム最後の3年間より精選した老年エッセイの粋。

 「不良定年」を標榜してから幾星霜。西行、芭蕉、きだみのる……「荒野をめざしたひとびと」を想いながら、今も歩み続ける日々。すぐ隣にある死を悼み、いっそ「死ぬ気」で生き切ってみようと自身も読者も励ます。終刊した「週刊朝日」で26年間続いた人気連載「コンセント抜いたか」最後の3年間より精選した老年エッセイの粋。文庫オリジナル。

 

   

 

「老いと創造(朦朧人生相談)」 異次元なのに腑に落ちる 唯一無二の人生相談!「僕は半ば死者の目で、この生者のいる現世を眺めています」

 横尾忠則の人生観をあらわす50作品をオールカラーで収録!

 本書の内容

 ー定年後、居場所がなくなるのが怖いのですが。

 生きている限り、今、自分が立っている場所が居場所です。

 ー衰えていく親を、どこまでケアすべきでしょうか?

 僕は、母が郷里の家を売って得たわずかなお金を持ってヨーロッパ旅行をし、有り金を使い果たして帰ってきたら、母はがんで 入院していました。入院していました。この質問に答える資格は僕にはありません。

 ー孤独が怖いです。どうすればよいのでしょうか?

 孤独は創造の原点です。孤独を恐れるもの、避けるべきものと決めつけた人は、孤独が何たるかを知らない人です。孤独の前には、巨大な光り輝く太陽があるのです。

 ー絵やイラストを上手く描くコツを教えてください。

 インファンテリズム(幼児性)をいつまでも失わなかったのがピカソです。ピカソに言わせれば、子どものような下手な絵こそ上手い、ということになります。

 ー仏教をどのように学びましたか?

 僕は毎週、週刊誌を何冊か読みます。そこには「因果応報」「自業自得」の実例が、スキャンダル記事となって満載されてい からです。

 本書の目次

 1 老いについて

 2 死について

 3 人間関係について

 4 芸術について

 5 仕事について

 6 禅について

 7 自分について

 8 運命について

 

   

 

フランスで描いた水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/