(再録・2013.8.23既出)
父が長年にわたって制作をしたアトリエの外観です。1956年頃に作られたもので、北向きに12枚の開閉式の窓があり、昔流行った嵌め殺し様式ですりガラスが留められています。床は当時としても珍しいラワン材でのフローリングで、子どもの頃よく拭き掃除をさせられたものですが、50㎡は結構拭き応えのあったものです。庭に植えた無花果の木が2階建てのアトリエを越すくらいに大きくなっています。それ以外にも、枇杷の木や、オリーブの木(以前は、柘榴や梨の木、そしてゆすらや桃も)が大きく育ち、生り物の木が好きだった父の名残を感じることができます。一頃は、庭に何ヶ所か父手作りの鳥小屋があって、絵のモチーフのために飼われた鷹や梟が棲んでいました。烏は庭で放し飼い(飛べないように少しだけ羽を切って)にし、3㎡ほどの泉水が掘られ、そこには鯉やランチュウなどを飼っていました。犬と猫も必ず飼っていました。
このアトリエも、わたしたちの引っ越し後しばらくは残していたのですが、いまでは潰され平地となっています。
「洋画家 仲村一男」のホームページ
http://www.nakamura-kazuo.