藤原書店編集部編「名伯楽 粕谷一希の世界」(藤原書店・2800円+税) | 野球少年のひとりごと

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本のことを中心に、関西学生野球や高校野球のことをつぶやいています。
また、父・洋画家「仲村一男」の作品を毎日紹介しています。

昨日は午後から隣に住む次男がやって来て、春の人事異動のことを詳しく聞かせてくれる。地方公務員である次男は現在48歳で、ちょうど中間管理職として仕事がいちばん面白い頃だと思うが、今回の人事で昇格を果たした。同期(年齢)では他の二人とともにいちばん早く昇格したようである。勤め人の宿命ともいえるが、春の人事異動(昇格を伴う)は自分に関係のない年も気になることの一つと言える。私などは既にそういう風景とも縁がなくなって久しいところがあるが。とりあえず祝いをあげた。そう言えば、同居する娘の連合いにも同様の祝いを先日あげたばかりである。次男いわく、これを機に背広を新調しょうと考えているらしい。尤も、背広を新調するほどの祝いをあげたわけではないが、自分を褒めてやるような心づもりもあるのだろうと思う。まあ、わが家のとっても目出度いことである。

 

本の話である。粕谷一希に関わるものでその名編集者ぶりをしのぶ、藤原書店編集部編「名伯楽 粕谷一希の世界」(藤原書店・2800円+税)と粕谷一希の代表的な著作から、「戦後思潮(知識人たちの肖像)」(藤原書店・3200円+税)の2冊のことを。

 

藤原書店編集部「名伯楽 粕谷一希の世界」 時代と切り結んだ名ジャーナリストの軌跡

 『中央公論』『東京人』などの名編集長として、また高杉晋作、吉田満、唐木順三らの評伝を手がけた評論家として、時代と人物の本質に迫る仕事を残した粕谷一希(1930-2014)。粕谷一希を知る67名の人々が、その「人」と「仕事」を描く。

寄稿者一覧

塩野七生/芳賀 徹
高橋英夫/清水 徹/芳賀 徹/本間千枝子/平川祐弘/佐々淳行/中村 稔/根本二郎/尾崎 護/鈴木博之/御厨 貴/春山明哲/澤地久枝/利根川裕/宮 一穂/近藤大博/河野通和/田中健五/半藤一利/東 真史
三谷太一郎/塩野七生/田久保忠衛/中村良夫/藤原作弥/藤森照信/川本三郎/陣内秀信/森まゆみ/今橋映子/大笹吉雄/杉原志啓/佐伯順子/小玉 武/今井 渉/石川九楊/藤井宏昭/近藤誠一/紿田英哉/阿川尚之/大石 眞/中西 寛/宮城大蔵/細谷雄一
大出俊幸/加藤丈夫/大黒 昭/石坂泰彦/高坂節三/多湖實之/高田 宏/水木 楊/小島英記/新保祐司/尾崎真理子/小島 亮/山本和之/植田康夫/奥 武則/高野之夫/水谷千尋/眞仁田 勉/青山やすし/松田昌士/橋本五郎
新保祐司/富岡幸一郎/川本三郎
粕谷幸子

 

   

 

「戦後思潮(知識人たちの肖像)」 「新古典」入門 敗戦直後から1970年まで、時代の精神を体現し、戦後日本の社会・文化に圧倒的な影響を与えてきた知識人、全133人を、ジャーナリストの眼で鳥瞰し、その代表的著作を批評。古典と切り離された平成の読者に贈る、「新古典」への最良のブックガイド! 解説対談=御厨 貴×粕谷一希

 御厨 貴ー僕は三十年前ぐらいの、ここに出てくるような知識人の書物を「新古典」と言っています。いわゆる古典ではないが、すぐに消えゆく新刊書でもない。<平成くん>(平成生まれの若者)に対しては、この「新古典」の読み方を考えていかなくてはいけない。そのときこの本は、最初のリードオフマンというか、それをリードする本として読まれるべきだろうと思います。(中略)マルクスはもちろん古典だし、日本にもそういう古典はあるわけです。その一段階前に、「新古典」を読むべき時代に来ていると信じます。そこから汲みとられなかったら、本当に歴史も何もわからなくなってしまうということですね。それで「新古典」から入れば、やがては古典まで見えてくるでしょう。いきなり古典に飛びつけと言っても、もう本当にマルクスだの何だのと言ってもぴんとこないわけですから。(解説対談より)

 目 次

 序   知識人とは読書人

 はじめに

 第1章 戦争と平和

 第2章 復活者たち

 第3章 登場者たち

 第4章 近代化の流れ

 第5章 平和と革命

 第6章 動乱の季節

 第7章 沈黙と内向の世代

 第8章 歴史観の転換

 第9章 大衆社会のなかで

第10章 高度成長への道

第11章 前衛精神の模索

第12章 成熟への道

 <解説対談>「新古典」のすすめ 御厨貴+粕谷一希

 

   

 

フランスで描いた水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/