高橋源一郎『「ことば」に殺される前に』(河出新書・850円+税) | 野球少年のひとりごと

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また、父・洋画家「仲村一男」の作品を毎日紹介しています。

今日は、センバツ高校野球大会の第2試合に大阪桐蔭、第3試合に報徳学園と母校大学野球部に縁の深いチームが登場するので、その2試合のテレビ観戦が中心の一日になる。大阪桐蔭vs北海は、北海エースの乱調(四球連発の)もあり7-1の一方的なゲームとなる。強打の大阪桐蔭といえども、今大会から使用のバット(いままでのものに比べて少し飛距離は落ちる)ではなかなか外野の頭を越すような打球を打てない。従って、相手ピッチャーの乱調(ふたりのピッチャーで与四球11)からすると思ったより点差が開かない。とにかく、大阪桐蔭に長打が1本(山路くんの2塁打)というのも珍しいことである。これなどバットの影響なのだろう。次の、報徳学園vs愛工大名電はタイブレークの結果3-2で報徳学園の勝利。タイブレークにおける1プレー(愛工大名電の守りでのフィルダース・チョイス)が明暗を分けたが、それにしろゲームを通じての報徳学園の好守が目立った。

 

本の話である。高橋源一郎のもので、『「ことば」に殺される前に』(河出新書・850円+税)、「ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた」(集英社新書・860円+税)の2冊のことを。刊行年はそれぞれ2021年、2017年。

 

『「ことば」に殺される前に』 即興連続ツイート「午前0時の小説ラジオ」が待望の書籍化 *書き下ろいし+朝日新聞「歩きながら、考える」収録 

 <「ことば」>によって相手を否定しょうとする者は、やがて、自らの、その否定の「ことば」によって、自身が蝕まれてゆくのである。>(本文より) 否定の「ことば」に感染し、<分断>された日本社会へ贈る緊急出版!前代未聞の即興連続ツイート「午前0時の小説ラジオ」が待望の書籍化。書き下ろし『「ことば」に殺される前に』に加えて、朝日新聞不定期連載「歩きながら、考える」を収録。個人の問題から社会の問題まで―見えない線に引き裂かれたこの世界の<つながり>を回復し、公共性を取り戻すためにタカハシさんが<放流>する、唯一無二のメッセージ。

 個人の問題から社会の問題まで―この世界に<公共性>を取り戻すための思考と実践

 「ことば」は感染する!

 かつて、ツイッターは、中世の(聖夜)のように、自由な雰囲気が感じられる場所であるように思えた。共同体の規則から離れて、人びとが自由に呼吸できる空間だと思えた。だが、いつの間にか、そこには、現実の社会がそのまま持ちこまれて、とりわけ、現実の社会が抱えている否定的な成分がたっぷりと注ぎこまれるような場所になっていた。(中略)「ことば」は人を殺すことができる。だが、そんな「ことば」と戦うことができるのは、やはり「ことば」だけなのだ。(本文より抜粋)

 

   

 

「ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた」 子供たちの独立国家は、本当に実現するのか?そこで浮き彫りになる、日本の現在(いま)とは?本書は、竹島問題、憲法改正、象徴天皇制などのアクチュアルなテーマを、架空の小学校を舞台に平易な言葉で論じる、18世紀以前のヴォルテールやルソーなどが得意とした「小説的社会批評」だ。/謎の園長・ハラさんが経営する小学校に通う、主人公の小学生「ぼく(ランちゃん)」とその仲間たちは、知性と個性に彩られた不思議な大人たちに見守られながら、少しずつ自分たちの「くに」を創り始める…。
「戦後とはこういう『お話』が生まれるまでの72年だったのさ。」(加藤典洋)
「ぼくたちのハックルベリー・フィンは、自由な“くに”を作りに冒険に出たんだ。」(いとうせいこう)
「『国』と『くに』の違いがこんな風にやさしく語り合えたら。可笑しくも示唆的すぎるポリティカル・キッズ小説。」(ブレイディみかこ)
「くにのこと、憲法のこと、あともっと微妙なことも…ここには答えを書いてないかもしれないけれど、『最初っからいっしょに考えよう』って誘っている…なんて不思議な本!」(会田誠)

「子どもの言葉で語られる、国家と天皇制の本質についての、穏やかで、優しく、根源的な省察。」(内田樹)

 

   

 

フランスで描いた水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/