(再録)盛力健児、西岡研介、他「山口組分裂抗争の全内幕」(宝島社・1278円+税)、阿川佐 | 野球少年のひとりごと

野球少年のひとりごと

本のことを中心に、関西学生野球や高校野球のことをつぶやいています。
また、父・洋画家「仲村一男」の作品を毎日紹介しています。

(再録・2015.12.13既出)

午後から、頼まれ仕事の広報紙に使用予定の水間寺の写真を撮りに、女房とのウォーキングを兼ねて出掛ける。わが家のあるニュータウンから水間寺(水間観音)までは徒歩で約30分であるが、沿道のいささか鄙びた風景を眺めながらの散歩はちょっとした旅行気分に浸ることができる。当地に住んで来年の3月で9年目を迎えることもあり、途中に何軒か新たに知友となった方の家がある。水間寺での撮影を済ませ賽銭を投ずるために本堂に上がるが、その受付に広報紙編集仲間が座っている。もともとが高校の教員でいまは近くの大学で教えながら、水間寺でも寺僧として勤めている。その方に広報紙の元旦号に「水間寺の由来」という記事を書いて貰っていて、それ用の写真の撮影がそもそもの目的であった。天平16年(744年)行基菩薩により開山というから、おそらく泉州地方ではいちばん古いのではないかと思うが、縁あってその付近にある東山に住むことになって時々お参りしている。

 

本の話である。こちらは大変に生臭い話柄であるが、盛力健児、西岡研介、鈴木智彦他「山口組分裂抗争の全内幕」(宝島社・1278円+税)を、今朝から一気に読了した。山一戦争から30年の時を隔てて再び起きた山口組の分裂騒ぎ。当時は毎日ほど夕刊紙を賑わし、芸能系週刊誌も毎号トップ記事としてその騒動を取り上げたが、それらを結構追いかけたものだ。生まれ育った岸和田という地の独特なこともあって、ヤクザや暴力の臭いがわりと身近に感じられて、それに対する免疫ができる一方こういう出来事に対しては人一倍興味の募るところがある。話題となるようなアンダーグラウンドものはほぼ欠かさず読んでいる。本書に戻ると、それぞれのライターがこの分裂騒ぎを色々な視点からビビッドに取り上げていて、面白く読んだ。時間の経過とともに第2弾、第3弾が待たれる。

 もう1冊の、阿川佐和子「アガワ随筆傑作選」(文春文庫・580円+税)は、先頃残念ながら亡くなった敬愛する阿川弘之のお嬢ちゃん(と言っても、1953年生まれというから妙齢62歳)の、さまざまなところに発表された随筆の傑作選である。阿川佐和子の著作も未読のものが10数冊ほどもあって、ずっと本箱に眠っている。先に「傑作選」を読むのもどうかとは思うが、先日買った「アガワ対談傑作選」(文春文庫・710円+税)と合わせて、とりあえず阿川佐和子に掛かろうと考えている。

 

盛力健児、西岡研介、鈴木智彦他「山口組分裂抗争の全内幕」(宝島社・1278円+税)  六代目山口組×神戸山口組 最高幹部が全てを語った なぜ割れた?大義はどちらに?情報戦、切り崩し、謀略。暗闘の最深部へ! 爆弾スクープ!神戸側の肉声初公開

 ヤクザの筋は盃です。何をいっても大義はありません。これは分裂ではなく謀反です。謀反者に黙っていられない。(六代目山口組直参)

 彼らは弘道会の下に山口組を置こうとした。逆縁は向こうからしてきたもの。「犬の茶碗」でメシを食うつもりはない。(神戸山口組最高幹部)

 

阿川佐和子「アガワ随筆傑作選」(文春文庫・580円+税)  今度は「語る力」です エッセイによる自叙伝 「聞く力」文庫シリーズ第2弾

 エッセイで辿るアガワの激動(?)の人生!癖の強い赤ん坊時代、志賀直哉から入学祝に贈られた黒いランドセル、お転婆盛りの東洋英和の日々、門限と闘った大学生の頃。二十代はお見合い三昧、三十手前でテレビの仕事を始め、四十を目前に渡米。帰国後はインタビュー、司会、物書き業の狂騒の日々。ミニアルバム付。

 

 

 

「洋画家 仲村一男」のホームページ
 
http://www.nakamura-kazuo.jp