情報が少ない時は採用サイトも見てみよう。 | エナフンさんの梨の木

エナフンさんの梨の木

ピーターリンチをお手本とした初心者でもできる長期投資法を日々研鑽しています。

上場して間もない小型成長株はどうしても情報は不足気味です。

 

例えば、VRで人気のソニーであれば、グーグルで「ソニー」と検索しさえすれば、

ほぼ毎日、新しいニュースがいくつも見られますが、

 

3年前に上場したての時価総額が100億円にも満たない小型成長株なんて、

変わり映えのしない公式HPをチェックする以外、

役に立つ情報を新たに手に入れるすべがありません。

(それもしない人も結構多いが・・・。)

 

そういう中、会社の雰囲気を知る数少ない情報源が、

「新入社員の採用サイト」ということになります。

 

若手社員がどんな仕事をしているか?

毎年どのくらい人材を採用しているか?

経営者はどんなことを学生に伝えているか?

 

対株主用の資料や株主総会とは別な角度で、

会社の雰囲気を覗ける貴重な資料と言えるのです。

 

さて、前回記事の続きですが、決算書を時系列に比較することで、

ウィルグループ社の第一四半期の販管費率が高いことが分かりました。

 

ただ、これについては、どうやら、例年の傾向のようです。

 

わかりやすいように売上総利益と売上高対販売管理費率(販管費率)を

私の方でグラフにしましたが、

この会社の場合は、四季の影響をほとんど受けずに

一貫して粗利(売上総利益)を拡大させているのに対し、

販管費率は第1四半期にポンと高くなる傾向があります。

 

1.5~2%くらい、金額にして、2~2.5億円くらい、

いつもより高く出る感じでしょうか?

 

で、冒頭の話に戻りますが、既にマイナビなどの採用サイトをみていた私は、

「おそらく、新入社員の大量採用が第一四半期にはコストとして効いているのだろう」

と想像が出来るわけです。

 

<マイナビ:ウィルグループ採用サイトから(赤字部分は筆者加筆)>

 

マイナビをみると、上のように書かれていました。

人数は101~200名とかなり幅がありますが、

仮に真ん中をとって150名として計算しても、

給料だけで1億円は前四半期に比べて高くなるはずです。

 

これに加えて福利厚生費もバカにはなりません。定期代や各種保険料等々。

 

さらに、新入社員向けの研修やら、パソコンやらデスクやらが

第1四半期にのしかかってくるはずです。

 

そういうのを全部含めて計算すると、2~2.5億円にだいぶ近づいてくるはずです。

 

あとは、先輩社員の昇給や新規出店コストといったところでしょうか?

 

正直、そんなに目くじら立てて、株を手放すような話ではないと思うんですけどね。

 

年商1兆円を超えてくるような大企業であれば、

2~3億円なんて、全くもって、大した費用じゃないんですけど、

このクラスの小型株であれば、

四半期決算で85%減益等というインパクトの直接的原因になってしまうわけです。

で、きっちり、株価も下がってくれる・・・。

 

長期投資家はある程度はそういう現象に慣れていく必要があると言えるでしょう。

ただ一方で、近視眼的なマーケットが過剰反応してくれるから、

私たちにチャンスが訪れるのも事実なのです。

 

--------------------------------------------------------

「皆、私に見通しが有望な銘柄はどれかと聞く。

だが、その質問は間違っている。

本当は、見通しが一番暗い銘柄を聞かなければならないのだ。」

     ~テンプルトン卿の流儀 (パンローリング社)

--------------------------------------------------------

 

短期トレーダーには理解しにくいロジックかもしれませんが、

(実力があるにも関わらず)一時的に収益が落ち込んでいる企業の株は、

長期的には最高の買い場だとも言えるのです。

 

 

 

本日も、参考になりましたら、

クリックの方もよろしくお願い致します。

株式長期投資 ブログランキングへ

 

当ブログは、長期投資法について解説することを主目的としています。

その中で、参考資料として特定の企業や市場動向についても情報を提供しますが、

仮にこれらの情報に基づいて投資判断をし、 結果的に損失を被ったとしても、

当方は責任を負いかねますのでご了承ください。

株式投資に関する意思決定や実際の売買に当たっては自己責任でおねがいします。

また、このブログでとりあげる個別銘柄への長期投資法は

個人的な性格や能力、生活環境等によって向き不向きがございますので、

誰もが簡単に勝てるような投資法でない事を前提にお読みください。