今回はcasio 電子ピアノの修理とアダプターの選定です。[秦野HOT]
本体は譲受品との事。ACアダプターは無く、脚も片側が無くなっています。
故障内容は電池を交換してもスイッチが入らずパイロットも点かず音が出ないとの事でした。
今回修理をしたのはcasioのCTK-80 電子ピアノです。
(似ている型番でCTK-800もあります)
電池 単三6本・アダプターは無し。
故障症状は新しい電池に交換にしてもパイロットが点かず、音が出ないとの事。
モノラルスピーカー・回路仕様
モードスイッチ(電源スイッチ、ノーマル、フィンガード、カシオコード)
その横にスライドで音量
並んで17個の押し釦スイッチでトーン/リズムセレクト 等
トーン・・・100
リズム・・・100
上の写真は電源スイッチとボリウム
電源スイッチは上下のスライドスイッチで筐体カバーを開けるとスライドの上下スライド開口部より綿ごみが入り油と共にスライド切片が浮き上がり接触していない。
これが電源が入らない故障の原因でした。
スライド部、右側の導電ゴム接点と電極部の双方を綿棒・アルコールで洗浄し乾燥後スライド部には少量のグリスアップし良好となりました。
ACアダプターの検討
単3乾電池 6本使用。電池が寿命になり易くアダプター使用を相談されました。
修理会場では外部電源の入力部に気づかず、コネクターの追加と中古ACアダプターを
新たに追加し検討することにしました。(預かり金1000円)
帰宅後 客先より電話にて中古アダプターが家に3個見つかったとの事(利用できるかは後日現物を見て決定)
下の写真は 上より 電池とアダプター配線の極性確認
純正アダプターの型名と仕様確認
簡単に割れ穴ふさぎのテーピングと仮の木脚
純正アダプターの仕様をインターネットにより調査し 現物を調査見直しアダプター用ジャック口を確認。アダプターサイズとジャックの極性を現物確認しました。
基板の電池電極よりプラス、マイナスを確認しジャックの極性、切り替え等を調査し下記純正アダプターの極性に間違いない事を確認しました。最近はコネクタージャックの中心ピンにプラス電位の製品が多いですがこの物は逆でマイナス電位です。
内部の配線確認と純正アダプターの名称と定格をカタログから調べ
casio キーボードの純正アダプターMODEL AD-5JL
プラグ:外径5.5φ 内径1.7φ 9v 850mA
極性は外周がプラスでセンターピンがマイナス
家庭には多くのACアダプターを在庫している事が多く、又 電線の先についているDCプラグも多くの種類・形状があります。
次の写真は色々な試験用プラグで機器の修理時にサービスマンが使用する全部電源用プラグです。同じように見えても外径や内径が微妙に異なります。 うまく適合していない場合はプラグが挿せても接触不良などで問題を起こす場合があります。外径が太い場合は差し込めないので解りますが少し細かったりセンターピンの太さが細すぎる場合は問題となり易いです。
特にセンターピンサイズ違いはノギスなどで測りにくく要注意です。
たまたま家に残っていたACアダプターが本体に入るからと使用すると機器の仕様が不適合だと正常で使える機器本体を破壊してしまいます。
今までいろいろのおもちゃ修理をしてきて つい先日もあるお客様が 今回と同じような電子ピアノの電源として家にあったACアダプターをプラグが入るからと使用し 10秒ほどで音が停止。電源切り。少し放置し電源オンで音が出る。また消えると頻繁にオンオフを繰り返すので見てほしいとの依頼がありました。
この場合は本体定格電圧 DC6vに電圧を見ずにDC12vアダプターを使ってしまい
内部発熱で停止の繰り返しでした(一部 部品破壊で交換) たまたまキーボードの内部配線に抵抗の大きい細線が使われていて 使ったアダプター電圧が二倍違っているにも関わらず 配線抵抗大の効果か? 何とか破壊を免れ、音の変化でおかしいと気付き持ち込まれたようです。あと少しで本体を壊してしまうところでした。ジャックにプラグが入れば使用できると考えるのは大変危険です。慎重に電気的特性を合わせる必要があります。
中には全く種類の違う交流用アダプターも同じ形状で有りますので更に複雑です・・・・クリスマスツリーランプ用等交流アダプターも有り。
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参考資料 下記資料はマルツの資料よりコピーさせていただきました
以上