偶数月で交互開催の秦野おもちゃ病院(南公民館)での報告です。
追加して少し複雑な修理品の思惑を追加記入しました。
今回のお客様は子供用のカメラと下の写真のカセットレコーダーの修理依頼です。
カメラはまだ新しいのでおもちゃ病院で開けてメーカー保証が効かなくなり、修理不能を心配し、メーカー相談をお伝えしました。カセットレコーダーはかなり年月が経っていますし、本来はおもちゃ病院の修理対象ではありませんが、ダメもとの了解済みでの修理期間を多くいただき 受ける事にしました。
本体は写真上部のテープ挿入部の扉蝶番のネジ紛失もあります。このネジは何とか工夫して対応できました。
カセットレコーダーはテープの大きさプラスアルファでかなり小さいです。おまけにAUTO REVERSE なので更に複雑です。 AIWA HS-J7 AUTOREVERSE
本体の裏ブタを開けると上の写真の様に電子回路部品がメイン基板に一杯です。構造からしてこの基板下にテープレコーダーのメカが入っています。古いテープレコーダーの故障個所としてほとんどがドライブ用ゴムベルトの切断ですがこれもそのようです
およそ長手で110mmの基板長があり面実装部品がびっしりついています。
メイン基板下の角には各操作切り替えスイッチが7個付いていて各々の切り替えをします。ゴムベルト交換はこの下が解放されてからの検討となります。
下の写真は上の写真の下方から見たところでカセットの厚さ方向ですが この中に真鍮のフライホイールプーリーが左右に二個見えます。(黄色い物) オートリバースの為間にギアーも見えます。今回の故障では二つのフライホイールプーリーと駆動モーター間に渡っている1mm程の太さのドライブ用ゴムベルトの切れが故障原因のようですが、そのドライブ用ゴムの姿が見られません。溶けて散らばるとともに溶けて切断し真鍮のフライホイールの溝にも残物が付いています。この機種は生産後日時がかなり経ている事と、テープレコーダーを使用しないで放置するとゴムの劣化は進み、ドライブゴムが溶けて切れたと推定します。
どちらにしても このドライブ用ゴムベルトを交換しなければなりませんが交換の為には 上記メイン基板全体を開けなければなりません。
細かくちぎれたベルトの切れ端は落下するとべとべととなり、作業机の紙も黒くなっています。メインのプリント基板が開いたとしても内部の洗浄を丁寧にやらないと再び溶けたゴムベルトが新しいベルトを溶かしますので注意が必要です。下の写真はこぼれたゴムの欠片が机に落ちて汚れたものです。
基板を上方に開けてプーリーやフライホイール等が掃除できれば良いのですが、かなり分解を進めても メイン基板を上げて機械部分に到着できませんでした。メイン基板の外し方の資料を探しましたが不明で 無理にトライすると完全に復帰不能となりそうなので ここまでとしました。この様に取り扱いを難しくしているのは少しでも小さくしたいとの商品設計と複雑なオートリバース機構が更に難しくしています。
テープレコーダーがダメならラジオだけでも!!
調べるとラジオのFM/AMは動作しています。この機能部分は残そうと本体横の単三乾電池二本のホルダーボックスを点検するとマイナス極板コイルが錆びていて使えません。 外のプラスチックカバーをすべて外さないとマイナス電極コイルが出てきませんのでカバーを外します。
コイル状スプリングのサビを落として使用できるようにしました。AM/FMのラジオは動作しました。又、このカセットレコーダーは内部スピーカーを持っていません。
音声はステレオタイプのイヤホーンによる使用のみです。下の写真はステレオイヤホーンを使用している状態を示しています。
ここで気づきましたがパイロット用LEDが二つ点灯しています。
側面の切り替えスイッチでラジオからテープレコーダーにするとテープレコーダーの各レバーを操作しないときに 電源は自動的にオフで有り回転方向を示すパイロットが点灯するのは異常です。
其処のところを次に説明します。
下の写真はカセット側面の下側を拡大して示しています。私の解釈では、この表示ではRADIO・TAPEでスイッチをテープレコーダーにすると電源オフになるはずですが 上の赤いLED二個が点灯しています。電源オフのつもりで放置すると電池を消耗します。
お客様にいちいち停止時に電池を外してもらうのはダメなので手持ちの単三電池二本用外部電源DC3Vのアダプタープラグを手作りし この別の電池ホルターから電源を送り使用します。追加の電源ホルダーのスイッチを切るようにし本体横の電池入れには電池を入れない事としました。もちろん、カセット本体の電池ホルダーも電源は切れませんが使用は出来ます。(電池寿命に注意 赤ランプ消えず)
上の写真は追加の黒いスイッチ付き電池ボックスにアダプタープラグを取り付けて別の電池ホルターを作りましたので そのホルダーに付いているスイッチでオンオフします。ここで電源を切れば完全に全停止となります。
本来は先の写真のPOWER OFFでカセット横の電源も切れるはずで この赤いパイロットのつきっぱなしの原因はドライブベルト切断による内容でオートドライブ機構の異常となり上の二個の赤LEDが点灯しっぱなしとなっていると推測しています。
もちろん別の追加黒い電池ホルダーのスイッチオフでは全停止となりますが。
今回の修理はここまでとしました。
追加して少し複雑な修理品の思惑を私なりに整理し、追加記入しました。
インターネットで「テープレコーダー修理、ドライブゴムベルト交換」について検索しました。同機種の物は一件だけ見られましたが海外の方のレポートでメイン基板は外されメカ部分だけでの写真が出てきました。日本の修理記事ではsonyやパナソニックなど有名メーカーの記事が多いです。
これらの修理のためのメカ解体では注意が必要です。
- 解体時は静止画か動画による記録が必須と思います。今回も発生しましたが表面のプラスチックケース解体だけでもパネル表面には極めて小さなネジが多数使用されています。ネジサイズは1.4mmΦの物や1.6mmΦのネジで長さとネジ頭の形状も幾つかありますした。何を言いたいかと言いますと外した物は必ず同じ位置に戻すことが必須です。
- たかがネジでも長さが違うと 例えば二枚のスライド板に長いネジが誤って入るとスライドで出来なくなり再組み立てが出来ないのです。太さの違いも無理にすれば入ってしまったり緩くて落下したりの不具合となります。
- メカでなくメインのプリント基板でも多数の半田個所の電線を一時外すのに組み立て時、別の所に接続すれば再駆動時、瞬時に 誤動作や破壊になってしまいます。
- 先のカセットテープレコーダーでもメイン基板の外すものがあれば静止画や動画の写真で元の場所や色で確実に戻すことが必須です。参考にしたユーチューブでの修理組み立てされている方は何回も動画画面を見直しているようでした。
- 一時取り外したネジや電線などは仕分けして保管し、時には銘板をつけて保管し電線や基板の外した半田個所を間違わず再度戻すことが必要です。
- 私は100均の1~6に分かれた蓋つきピルケースを仕分けによく使います。このケースに外した順に部品を入れ蓋を締め、次へと進みますと再組み立て時は逆にすれば順を間違えずに復帰できます。
- その他メモを作り仮止めテープで仕分けし間違いを防ぐようにしています。
- シリコンシートに仕分け用のマスが付いている半田付け用作業シートも販売されているようです。
これ等の対策は簡単なおもちゃの修理でも必要です。前回多数のプラレールが持ち込まれ一台づつ修理すれば良いのですが共通部品の確保などで、同時に複数を分解し、検討しますと組み合わせが異なり大変、焦ることに成りました。
比較的簡単な物でも仕分けと記録が必要なので それらの体制が無い状態では修理分解はやらない方が良いと考えます。
特におもちゃドクターのように、出先でお客様と対話しながらの修理で時間が決められている場合は要注意です。出先では例えば、よくある乾電池の電極の錆による接触不良なども 自宅では分解、水や洗浄スプレーなどの使用とワイヤーブラシでの磨き・天日乾燥が出来ますが出先ではリューターなどの磨きのみとなり 場合によっては再度、錆発生などとなってしまいます。
今回はかなり複雑な部類の解体復帰になりましたので、現状で使用できたラジオは生かす事とテープ部の解体は停止しました。
先輩ドクターによるユーチューブのウォークマン修理もよく見られますが[中古品の購入により修理・再生の動画]では綺麗に纏められていますが、必ずしも一台のみの限られた物の修理検討ではなく、同種の機種を修理され 仕様をしり纏められて報告されているようです。ドライブゴムを新しくされ 音楽をかけてみると音が「ワウワウ」と揺れて聞こえます。これはその機種特有の同じような他社ゴムベルトではベルトの捻じれなどで回転が正常とならず回転ムラから音が揺れるようで、同じメーカーの純正ベルトの使用検討が必要と報告されていました。
おもちゃドクターの皆様も是非これらユーチューブを参照され、より複雑な修理に進まれる事の参考に成れば幸いです。おもちゃと言えども最近は複雑化し集積度も上がった物が多くなり 肉眼では見えない物も多いので。
以上




























































































