今回はタッチペンで絵本の写真を触るとペンが読み上げる方式のおもちゃで同時に二点が持ち込まれた。何れも動作しないとの事。動作原理は双方ほぼ同じ。

これらのおもちゃはタッチペンの先から二個の赤外線LEDで画像に照射し 本の画像をレンズを通してイメージセンサーにデーターを送り信号を読み込み 合致した内容をメモリーから読み出しコメントとして発声しているのでかなり集積度が高く半導体素子が多く使われています。今回の二件は簡易な修理で済みましたがこの関連のおもちゃはかなり複雑で修理には手こずります。少しでもおもちゃドクターの参考に成ればとの気持ちもあり 詳細な資料を書くべきですが そちらの資料の方が何倍も紙面を要するので方法を改め 纏めたチェック方法を考えてみたいと思っています。

 

【No1 アンパンマンの のりものずかん】

本の表紙とタッチペンは上の写真の物。タッチペンは 今回持ち込まれたことば図鑑と同じだが緑色のケースである。

下記写真は内部の基板を取り出し、電源スイッチ(銀色箱型)を調査。この電源スイッチの動作が悪かった。プリント基板から外して調査するとスイッチの歯と歯を渡る接点バネ鋼板が黒化し接触不良となっていた。このスイッチはかなり小さくてスイッチ自体を解体し接点を磨き復帰させることはかなり難しい。[このスイッチと同型と思われるスイッチを新たに購入した。今後は交換で済ませる。

しかし実際はこれ以降 当方のおもちゃ病院に同じ不良がかなり多く持ち込まれた。この「のりものずかん」は以前から販売されていて、今回も下記に示した二例目の「ことばずかん」とは電源スイッチ周りの回路が異なり こちらのことばずかんは

なぜか電池のマイナスをスイッチでオンオフしている。多発不良原因としてこのペン内の回路構成と内部インバータ電源回路との問題があるかもしれない。

 

下の写真は画像処理用のLSI。基板の左側は赤外線LEDと画像読み取り素子のセンサー部コネクター(このコネクター部故障も多い)

今回は問題なし。

電源スイッチの修理で正常となり完治した。

 

【No2 アンパンマンのことばずかんDX】

このシリーズはヒット商品と思われ何回となくバージョンアップされて発売されている。

今回の物はDXタイプでタッチペンの姿はほぼ同じだが本とはペアーであり 個々にバージョンが異なると動作しない。

初期のタイプ、デラックスタイプ、スーパーデラックスタイプ等で個々に内容が異なり、互換性はない。

タッチペンも形は同じようだが内部回路やメモリー内容が異なりペンの色や、ペンの人形の片目つぶったりで分けている。

今回の物はアンパンマンのことばずかんDXシリーズの最新版

 

電源スイッチを入り切りしても電源が入らず。当日もう一台同じような商品で不具合が発生し修理を受け付けた。

この物も電源スイッチかと調査すると電源スイッチは正常に動作しているが電源はいらず。

さらに調査するとインバータ電源の面実装型リアクトルの接点が基板パターンから浮いていることが判明。再度半田付けを実施し良好となった。

上の写真は電池からインバーターを使って内部で使用する電源を作り出していますが

そのインバータ用のコイルとして丸いフェライトコアーです。写真の丸いコアーとボビンの巻き線終わり足の半田が基板より剥がれていて動作せず。

半田付けを再度 実施して良好となった。

                          以上