お客さんより依頼された ちょっと古いラジコンタンク修理(Eドクターとの共同修理)

途中より修理に参加。

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   Eドクター報告項目

    コントローラーは発振している

  • V+ V-リード線を基板に半田付け
  • 基板電圧6v確認
  • 砲筒〈発声〉モーターM+M-を半田付け
  • 各点の半田付け 再半田
  • 目視では回路に異状は見られない
    でも動作せず。
  • コイル抵抗大150kΩ 緑青発生

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ここでコイルが抵抗150Kオームは異常なので基板からコイルを外してチェック。

巻き線に緑青が小さく見られ 断線か?

新たに巻きなおした。

 

後から判ったがコントローラーの左右別々の前進後退のレバーと共に 中央の押し釦スイッチはBB弾の発射ボタンであった。(スイッチ動作が悪いので新しい物に交換)

タンクの中央蓋を開けてBB弾を補充しコントローラーで発射できる。取説など無いので詳細は不明。

下の写真はメイン基板の裏(上)と表(下)。電線は中国仕様なので芯線が細く修理時

切れてしまうので 幾つかの電線は国産電線に取り換えた。

 

 

上の写真で中央の白い部分は発音,発声用の駆動トランジスターで発熱が多くアルミの放熱板を追加しエポキシ樹脂で固めた。このトランジスターのチェックでLCR-T4チェッカーで変な現象が出たのでこの後 報告する。

そのすぐ右のプラスチックボビンはリモコン用の共振コイルで今回断線の為 これを外し電線を巻きなおした。

発振コイルトランスの下図は本体駆動用モーターユニット左右と 発声BB弾発射用ユニットの略図です。

ここでの調査・検討事項は

 

 タンク本体

  • 共振コイル断線で巻き線を新たにやり直した
  • 共振周波数の微調整を実施
  • 発声スイッチ素子の発熱が多く放熱板を付けてエポキシ樹脂接着
  • 発音スイッチの素子仕様不明 
    マークからバイポーラのトランジスタと思うがLCR-T4チェッカーでは抵抗を持ったスイッチでマークと不一致。同名のトランジスタでは動作せず。市場には抵抗を内蔵したデジタルトランジスタがあるがこの物がそうか? 壊れている物なのか?不明。
  • 発熱は多いが動作しているのでアルミ放熱板を付けてセットした。
  • ここまでの修理で正常にタンクは動き、BB 弾も発射し発音・発生もするようになった。修理終了。

    発声・発音の2SC8050トランジスターについて (LCR-T4チェッカー)  
  • LCR-T4チェッカーで新品のバイポーラトランジスターを測定すると測定窓にトランジスターの絵とhFE等の特性が描かれる。下記の様な抵抗二本ではない。
     
  • 左右の駆動ギアーユニットの動作で540mAの電流。逆転もほぼ同じ
  • 発声(砲丸)ギアーユニットは逆転は無し 一方向のみ動作 説明書がないので不明だが推測によるとBB弾を飛ばせる為か。BB弾は6φプラスチック タンクのトップに蓋がありこの場所への管がある。
  • ギアーユニットを接続し動作させない(左右のギアーユニットは接続済みで)と138mA,発音時は250mA このユニットを繋がないで8mA。 この動作は電源プラスからトランジスタPNPのC8550とNPNのC8050が接続され中点からギアーユニットが出て電源プラスに行く。

駆動用の他 2SC8050を抜き取り LCR-T4チェッカーで測定すると完全なトランジスタ図でhFE=293  Vf=651mVであった。ここに使用されていたトランジスタは放熱器を接着したので今回は測定できず。接続図はこれ。当初のような一番足が共通とした抵抗図にはならなかった。

発声(砲丸)ユニットを接続しただけで138mA流れ 外すと8mAとなることと このユニットを開けてモーターのみとした時にモーターはゆっくりと回転しスイッチオンで高速回転となったことから 常にモーターは回転しギアーボックス内ではギアー荷重でストップしているのではと思われる。この為、スイッチオフでも138mA流れるのでは?
トランジスタなのにLCR-T4チェッカーで抵抗として表示される場合の調査

測定はトランジスタなのでトランジスターマークとして各値が表示されるはず(下図1

だが上記のように抵抗接続(下図2)として表示された。しかもhFE,Vfで値が表示のはずが抵抗値となった。

似たようなもので抵抗入りトランジスタの一種、デジタルトランジスタ(下図3)を想定して組み合わせ実験をLRC-T4チェッカーで同様の表示となるか調査してみた。

図3でR1 2.2kΩから15kΩに数種変えたりR2をオープンや10kΩから47kΩ組み合わせと変えて測定したが何れも抵抗表示にはならなかった。[東芝デジタルトランジスタの規格表に似せて]

 

唯一図3の1-3を小抵抗や短絡した時に似たような表示となった。

R1=2.2kΩ 1-3短絡   二つのダイオード接続図

R1=50kΩ  1-3短絡  1-2間 3.47Ω 2-3間110kΩ

R1=50kΩ 1-3=39Ω  1-2間 4.06Ω 2-3間111kΩ

結果 共通の極が異なるが似たようなものは短絡気味の時に発生している。

トランジスタのエミッター、コレクタ間が絶縁破壊を起しかけている時発生か?

実機のような共通極がNO1の抵抗ブリッジとはならなかった(テストでは共通極NO2)

しかし 実機は電源電流が多いが動作しているので原因はつかめなかったが修理結果としては放熱板対策で良しとした。

                                                       以上