江戸時代の画家 伊藤若冲の生涯

青物問屋の長男として生まれた若冲

家業を一旦は継ぐが絵を描くことを諦めきれず、弟に家督を譲り絵の道へ

物語は腹違いの妹、自殺した妻、その妻の弟で若冲を恨む弁蔵が色を付けてくれます


死なせてしまった妻への贖罪で描いていた絵が、自分を触発する弁蔵に対抗するため絵を描く若冲

作中の若冲は狂気に満ちているが、読後作品をネットで見たりして驚きました

豊かなで艶やかな色彩に生き生きとした被写体

この時代になんと前衛的なんでしょう

とても苦悩の末に描きだされたとは思えないほど魅了されました


個人的に母が亡くなった時に描かれた涅槃野菜図の件が好きでした

憎みたいのに憎めない母への葛藤がうまく表現できていると感じました

絵に人生を捧げたといっていいだろう、若冲の人生でした

自分の知らない偉人の小説を読むのは本当に楽しい

たとえ史実でないとしてでも作者さんの熱量もあわせてロマンを感じます