ド長編でしたが「エイヤッ!」と手にしました
25年前(もうそんなに経つかぁ、、)に起きた和歌山県の毒カレー殺害事件を中毒の第1人者の教授が紐解いていく展開でした
事件を扱う警察ではなく、あくまで化学の面から解明していこうとします
以前読んだ「沙淋」同様、医師の帚木さんならではの作品です
難しい専門用語は薄目でなんとな~く読みましたがww苦ではなかったです


事件のあらましなど、そうそう!そぅだったよね!と当時を思い出す面もありましたし、砒素中毒の歴史や砒素という物質について、そして恐ろしかった砒素中毒者について、本当に興味深く読みました
恐らく一般の人が知らないだけて、ここに書かれていることに近い状況で進展していったのではと思います
警察や学者が、この世紀の犯罪を何としてでも解決するんだという鬼気迫る様子に胸を打たれました

ただ事件を解明する警察主体の作品ではなかつたからか、犯人の動機がボンヤリしていたのが残念でした
実際、冤罪だの真犯人だの未だに不明な点も多いので、真相は実行犯のみが知るってことかな
死刑が確定してしまっているが、これ程周到な人物が大量殺人を犯す意味がわからない
林死刑囚が犯人ではない、という面の話も聞いてみたい