加藤楸邨の句「燈を消せば 船が過ぎをり 春障子」。旅先(海辺)で部屋のあかりを消して寝床に入ると、とおりすぎる船のあかりがぼんやりと障子にうつっていた。春めいてきた心地よい夜、夜の静寂と季節の風光がたくみにスケッチされる。どこか春の旅に出かけたい気持ちになるよね。