【神道つれづれ 12】 

※H25.2 発行「社報」 134号より

 

☆十二月守護尊像図☆

一年間の福徳を、日本の著名な諸神が、一ヶ月交代で守護するという思想で描かれたものに、十二月守護尊像図というのがあります。神々が交代で信者を守るという結番思想は、平安時代から始まったもので、明治頃まで庶民の間で信じられていたそうです。正月を迎えると、こうした絵図を座敷に飾り、その年の福徳を願って、家族みんなで礼拝をしたものだそうです。

 

この絵図の特徴は、最上中央に富士山、右に日天、左に月天を配しています。富士頂上には、「八百万神」と記した宝珠が描かれています。

また、大空を飛翔する鶴に対応するように、最下中央に、天を仰ぐ亀を描くなど、

縁起を祝う代表的な画材も多く用いられています。

 

月の守護神は、各月に一神を原則としますが、6,7,10月は、二神を当て、北野天神、巳待弁財天は、守護月を記さず描かれている等、整然としていない為に、理屈抜きの御目出度さも見受けられます。

神道、仏教、道教、陰陽道などの神々が 仲良く無秩序に描かれていることから

当時の庶民が、有難いものは全て有難いものと信じ、信仰していた様子が伺われます。

 

参考までに、守護神と神名を月ごとに紹介します。

一月は「歳徳大善神」、二月は「稲荷大明神」、三月は「金毘羅大権現」、四月は「山の神」、五月は「八幡大神」、六月は「安産大祖浅間・牛頭天王」、七月は「牽牛星と織姫星・小御嶽石尊」、八月は「十五夜」、九月は「荒神大神」、十月は「出雲大社・西宮大神」、十一月は「北辰妙見」、十二月は「三寶大荒神」が、描かれていました。

 

当時の人々にとって、どの神様にも、守護して頂きたかったに違いありません。

今の人々にとって、ご利益を頂きたい神様は、どうでしょうか。

一人ひとりの守護神は違いますが、ご加護いただきたい神様に、月詣でなど、たまには、神頼みをしてみるのも いいかもしれませんね。