【神道つれづれ 4】 

※H23.4 「社報」 112号より

 

昔むかし、神道を学んでいた学生時代、とても怖い夢を見ました。

予知夢というには、あまりにも遠い先のことでした。

でも、確実にやってくる。 それを誰かに伝えたいと思いました。

 

海の近くは危ないと。だから、住むなら海の側でない方がいいよ。

日本は地震大国だから、地震が来るのは当たり前。だけど、かなり強い地震でも、日本は大丈夫。でも、津波には、逆らえない。どうにもならない怖い夢を見たのです。

津波が来る前に起きる現象、川の水の変化や海の生き物の様子等。

こんなことが起こったら、本当に来るかもしれない。でも、それはいつ頃なのか。

肝心なことは、全く分かりませんでした。

 

当時、何人かの友だちに、この夢の話をしています。

ある友達は、予知夢の可能性があるかもしれないから、夢を記録するとか、意識して夢の中の景色を見るとか、日付のわかるものを探すといいなど、アドバイスをくれました。

 

でも、それ以降、そんな夢は見ていません。

ただ、我が家を建てる時に、海辺の便利な地域を避け、山の少し不便な地域を選びました。瀬戸内なので心配はないと思うのですが、たぶん、この夢の影響だと思います。

 

予知夢と神道って、関係があるの? と、不思議に思われるかもしれません。

予知夢は、心理学ではありえない。無意識の潜在意識の働きだと学生時代に教わりました。

ただ、神道学の基本である『古事記』『日本書紀』には、天変地異の様子が記されています。主に、『日本書紀』に詳しいのですが、この夢を見たことで、記紀を読む視点が変わったように思います。昔の人々の宗教的な心の在り方だけではなく、自然の見方にも注目するようになりました。

 

文献から、当時の人々が、いかに自然をよく観察し、自然と共存してきたかを知ることができます。科学的なメカニズムはよくわかりませんが、地震が起こる前に、動物や鳥の様子が変わることなどが記されています。

 

当時は、耐震性の建物は稀で、安全な場所へ避難し、難を逃れていたのでしょう。

科学だけに頼らず、普段から、自然に親しんでいると、自然がいろいろなことを発信してくれていることに 気づくことがあります。

 

神道を通し、私が学んだことを、つれづれなるままに綴りました。  

ありがとうございました。