《森はともだち》  第58回 H25.4 発行 「社報」 136号より

 

【陸はつながっていなくても地球人】

数年前、母校を訪ねた時、聞いた話です。

中国からの留学生が、日本の山を見て しみじみと語ったそうです。

「日本の山は、樹木が多く、緑が豊かでいいですね。」

中国の領土は、とても広く、彼の住んでいる都市部では、山の樹木・緑が見られなかったようです。

緑のない森林らしくない山。

日本人には、あまり想像がつきませんね。

 
今の中国で問題になっている公害。
昭和30年代から40年代の高度成長期の日本が、よく引き合いに出されます。
当時の日本は、自然のありがたさを忘れ、
只々、世界のトップレベルに追いつくことだけを考え、利益追求の産業を目指しました。
敗戦から、やっと立ち直り、自由を手に入れた日本人には、怖いものがなかったのかもしれません。
実は、その代償として、大気汚染、水質汚染。
日本の豊かな自然に生息するデリケートな動植物は消えていき、
生き残ったものも、体内に公害の代償を備蓄することになりました。
そして、その命を頂いて生活していた人間にも、その影響が出始めたのです。
その大変さに気づいた時は、すでに取り返しのつかないことになっていました。
 
それから、トップ企業は、苦い経験を反省し、自然に優しい産業開発に努めました。
新しい企業として生まれ変わるのに、かなりの年月も経費も掛かったことは言うまでもありません。
 
ただ、日本には、里山を中心にした農業・林業従事者が全国各地にいました。
日本の領土は狭く、高い山も多かったため、森がバリアの役目を果たしてくれたのでしょう。
今度も・・と考えたいですが、
産業のスケールも大きくなっており、国内レベルでの解決にならないようです。
原発問題もしかりです。
地球人として、自然環境配慮をモラルと考える時代が来るかもしれませんね。