平成29年の税制改正により、自社株式の評価方法が改正されました。平成29年1月1日以降の相続や贈与から適用されます。
主な改正点として、類似業種比準方式による株価算定において、比準要素の見直しが行われました。
算式の分子に注目して頂きたいのですが、今までは
「配当:利益:簿価純資産=1:3:1」の比重となっていたものが、
「配当:利益:簿価純資産=1:1:1」とされました。
この影響によって、業績が好調な企業にとっては、改正前と比べて株価が引き下げられる傾向にあります。
一方、簿価純資産価額が大きい企業(過去の利益が蓄積されているような会社や含み益の大きい資産を保有しているような会社)は、株価が上がってしまう傾向にあります。
利益に対する比重が下がったことにより自社株対策の王道である、役員退職金を支給し株価を下げてから、株式を移転するという対策については、今までと比べると圧縮効果が少なくなると思われます。
やはり、自社株式については早めの対策が肝心です。
柿白