これは2週間前、私が書いた内容です。実はその際ブログに掲載しようと思いましたが、結果が出ないことには掲載できないと思い、しばらくそのままにしておりました。
今回受診されたのは11歳の女の子。
ある皮膚科さんに11月受診されたそうです。
初診で内服薬1種60日分、外用薬4種処方されていました。
初診に60日分お薬が出ていますが改善されないどころかますます強くなってきたので40日後同じ皮膚科さんに受診されました。ここで内服が変わって60日分、外用薬一部変更されて4種類出されていました。
そして治っていません。なおご自宅にはヘパリン類似物質クリームが500gもあるそうです。この方に聞きました。
『痒くない?』
『痒いです』
『お薬飲んで効いた?』
『効きました』
『外用薬効いた?』
『わかりません』
『結構掻いていると思うけど、お薬つけたあとどう?』
『治っている感じはありません』
『痒いときヘパリン類似物質ぬっていた?』
『ぬっていました。』
はい。当院を受診している患者さんはもうおわかりですね。
そして今回の処方を見て一番驚いたのはうちのスタッフです。スタッフもびっくり、私もびっくりでした。スタッフがわかってくれたのは当院にとっても何よりのパワーを感じます。気づかないことこそ恐ろしいことです。
最近は子供さんの医療費が定額制になっているからか、かなり多めの処方を受けられています。
治らないから足し算、長期で処方されていて高額医療にも関わらず定額制だから患者さんは何も疑問も持たず使用されています。
実は不安があるのかもしれません。
現実かなり遠方にも関わらずこの子供さんは1時間かけて当院に受診されました。
今後、諫早市は18歳まで定額制になるということ。ますますこのような状況になるのではと心配しているのは私だけではないと思います。
このかたの問題はびらん(浅い傷)にヘパリン類似物質を使い続けていたから赤くてヒリヒリした訳です。
医師はかゆいと思って搔きむしると傷ができることを把握しておかなければなりません。
ヘパリン類似物質は傷(掻いた後の傷も含め)には使用してはいけません。
このようなことをお話ししました。
ご自宅には沢山お薬があるそうですので、当院からはお薬処方せずご自宅の薬の使用方法をお伝えいたしました。使用してはいけないお薬も説明いたしました。
使用してほしいのは内服薬と外用薬(弱めのステロイド1種類)他はいりません。シンプルです。
おそらく2週間後には治ってくれると思います。