平田玉蘊 (38) 「菊に小禽図」 絹本
43㎝×126㎝
紅白の菊の花弁を丁寧に描くとともに、小禽(小鳥)たちの姿が愛らしい。
菊は大地にしっかり根を張り、凛と力強く描かれている。
赤い花弁の二輪の花は、花びらの裏は白く(筋も丹念にえがいている)、表の赤は鮮やかな赤で、立体感のある描き方である。
白い花一輪は清楚で凛としている。
菊の花を目指して飛ぶ二羽の小鳥は、同じような飛ぶ姿であるが、口ばしを閉じている鳥と、開けて鳴いている違いにかき分けている。そのわずかな違いだけで、鳥たちの躍動感を感じることができる。
落款や画風から、玉蘊50代前後の円熟した時期の作品と推測される。