親子三代の夢「囲碁の図」 (52) | okuda8888のブログ

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平田玉圃(ぎょくほ) ④ 「囲碁の図」 絹本

              横46㎝×縦127㎝

 

平田玉蘊の養子、玉圃(甫とも)の「囲碁の図」である。サイズは 横46㎝×縦127㎝で玉圃の大作であり、代表作と言えよう。

 

 

聳える山々を背景に、小川のほとりで囲碁を楽しむ文人二人、その傍らに興味深かそうに眺める童子を描く。いかにも、中国南画の俗世を脱した洒脱な世界を描いている。

 

 

囲碁を楽しむ人物たちの背後には聳えるような山々が雄大に描かれている。山肌は丁寧に線描され、一点のスキもないように厳しく表現されている。絵の師平田玉蘊にはない独自の画境に玉圃は到達していることをこの絵は示している。

 

 

画中に描かれる人物も、作者の精神を示すかのように、ゆったりとして伸びやかである。

平田玉圃は、祖父平田五峰、母玉蘊と平田家の画業を発展させようと、誠実に取り組んだ画家である。そうした、親子三代の夢がこの絵に込められているように思われる。