ブラックジャック⑨単行本未収録作品「ミッドナイト」最終回の謎に迫る | 本の匠 ビンテージコミック探検隊

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このブログは、そんな昭和のお宝マンガ、絶版マンガ、封印作品など探求していきます

今回取り上げるのは単行本未収録作品
「ブラックジャック外伝」


それはチャンピオンで「ブラックジャック」
の次に連載になった「ミッドナイト」の最終回
の話になります。

ミッドナイトを全て初版で集めていた
私が完全に安心していたところに
事件が起こった!


最終回がぶっ飛んだのである!



ミッドナイト全6巻完結(少年チャンピオン・コミックス) [マーケットプレイス コミックセット]

最終回が飛ぶなんて、普通ありえない話である

最終回の内容に納得いかないファンが
手塚先生に抗議したため、手塚先生が
またまた封印してしまったのである

(手塚先生はナイーブな人ですから)



途方に暮れていたら、文庫版にはぶじ収録




ミッドナイト (4) (秋田文庫―The best story by Osamu Tezuka)

これで、一安心と思ったら、またまたファンが
「やっちゃった!手塚先生」
「またまたブラックジャックを
登場させちゃった!」


と、ラストだけを取り上げて騒いでいる
(スターシステムの中でもブラックジャックは
特別な存在で他の作品には滅多に登場しないの
ですが…)



全体をじっくり読むと最初からラストに
向けて伏線をいっぱい張っていたと
思うのですが…


「ミッドナイト」は壮大なブラックジャックの作品
のエピソードの一つともいえる作品で、実は
最終回はブラックジャックが主人公になっている


と、思っていたらコンビニ本で
「ミッドナイト ブラックジャック編」
が発売された
(すでに絶版)




ミッドナイト ブラック・ジャック編 (秋田トップコミックス)

これはブラックジャックのエピソード
として上手くまとめられているので
あらすじを紹介しようと思います


「ミッドナイト」の主人公 三戸真也は
暴走族のリーダーだった




車が彼女で「エリカ」と名前をつけて
愛していた




そんな真也にも人並みに初恋の女性が
現れる






無理やりデートに誘うが「エリカ」(車)
が嫉妬に狂い、嫌がらせをする


(海に突き落としたりしてしまう)





「もう女の子を乗せないから」と機嫌を取るが…



結局、乗せてしまい、嫉妬で怒り狂った
「エリカ」は二人を乗せたまま自殺をはかる


初恋の人はそのまま植物人間に





ここから先は、あくまでも個人的意見です

「ミッドナイト」はスティーヴン・キングの「クリスティーン」
(1984年5月12日に映画が公開)から思いついたのかも?


「ミッドナイト」は元々『ドライブラー』のタイトルで
1985年初頭に連載予定だったが、
1984年11月に手塚が急性肝炎で入院したため連載中止
その後設定を変えて執筆されたのが本作である

最初は先生「車が主人公」の話を描きたいと言って
いたそうだから…





クリスティーン〈上巻〉 (新潮文庫)


クリスティーン〈下巻〉 (新潮文庫)




( 自らの意志を持つ車が、自分や買い主をいじめる者
たちに次々と報復していく恐怖を描いた、
鬼才ジョン・カーペンター監督による異色ホラー映画。
メチャクチャに壊されたクリスティーンが自己修復し
再生していくシーンの何とも優雅でなまめかしい姿は、
本作の白眉。また、主人公が憧れの美人同級生を車に
乗せるや、窒息させようとするなど「彼女」が女の嫉妬
むきだしにしていくあたり、なかなかにユニーク(!?)
どこかとぼけた味わいが、次第に狂気へとエスカレート
していく過程の描写も、カーペンター映画ならではの
素晴らしさ)


クリスティーン [DVD]



呪われた'58年型赤のプリマスを手に入れた少年。
クリスティーンと名付けられた車は、自ら意志を
持って復讐を開始する。スティーヴン・キングの
同名小説の映画化


「クリスティーン」と、同じように車の名前に
「エリカ」と女性の名前がついていて、
車が嫉妬して彼女を殺そうとしたり…
共通点がいくつも発見できます






と、ここで登場するのが…



ブラックジャック

過去に脳の手術をしたことを話す
またファンから抗議を受けた事に
対して「マンガだから」と言い訳する
ブラックジャック




「お前と私は似たところがある」

両者とも無免許で医者とタクシードライバー
をやっているのだが、同じ作者だから
しょうがないと…

(これはファンがブラックジャックと同じパターンの
繰り返しで手塚はマンネリと言われたからか?)


何はともあれ、手術代を稼ぐために
タクシーの運転手になった真也

タクシーと言ってもただのタクシーではない!

真也が愛情を注ぎ改造して人間の感情を
もった「エリカ」である



悪質なトラックの幅寄せも…



車の下から5番目のタイヤが飛び出て
ジャンプや片輪走行もラクラク!


(マッハ号のAボタンのオートジャッキーで
ジャンプすると言うのを思い出しました)



オリジナル曲に映像を完璧にあわせた
papajiruさんに脱帽です!




トラック運転手を捕まえてみたら何と!



若い女性で 運送会社「カササギ運輸」の
女社長カエデとの出会いだった


カエデはライバル会社に嫌がらせを受けていた
のだが、真也の事をライバル会社の手先と
勘違いしたのだった!


ついにライバル会社は事故に見せかけて
カエデを殺そうとする。

それを知った真也は助けに行くのだった!




時間がないことを知った真也は
身代わりに事故を起こす




改造車「エリカ」は強化ボディで
真也をしっかり守ったのだ!

(真也はたいしたケガもせずに助かる)

カエデは真也に思いを寄せることに…


ここまで伏線を張ってラストを
迎える事になるのであった!


このミッドナイトの最終回が
ブラックジャックにとっても
最後のマンガ登場
となった大切な
作品となるのだった


この続きは、次回のブログにて!




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